【第4回】生前贈与の「7年ルール」が本格化。2026年4月、相続対策を“手遅れ”にしないための新常識

「親が元気なうちに、少しずつお金を渡しておこう」
そう考えている方は多いはず。

しかし、その「少しずつ」が、実は**「なかったこと」**にされてしまう可能性があるのをご存知ですか?

2026年4月、相続税の計算ルールにおいて、亡くなる前に行われた贈与を相続財産に足し戻す期間が、これまでの3年から**「最長7年」** へと延びるプロセスの真っ只中にあります。

今回は、この「7年ルール」という高い壁をどう乗り越え、賢く家族の資産を守るべきか、その処方箋をお出しします。


【要約】この記事のポイント

  1. 7年ルールの正体: 亡くなる前7年以内に行われた贈与は、相続税の計算に「足し戻し」される。
  2. 実質的な増税: 駆け込みの生前贈与が通用しなくなり、相続税の対象範囲が広がる。
  3. 100万円の控除: 延長された4年間分(亡くなる前3年〜7年の間)の贈与については、合計100万円までは足し戻さなくて良い特例がある。
  4. 対策の鍵: 「暦年贈与」に頼りすぎず、教育資金の一括贈与や、孫への贈与、新NISAへの入金支援など、多角的な出口を検討する。

目次

1. 「3年」から「7年」へ。相続対策の“有効期限”が短くなった?

これまでは、亡くなる前3年間の贈与だけが相続税の対象に引き戻されていました。

しかし、改正によりこの期間が段階的に延び、最終的には**「亡くなる前7年間」**の贈与がチェックされます。

医療従事者の視点で言えば、これは「検査の遡り期間が長くなった」ようなもの。健康なうちに(亡くなるずっと前に)対策を始めないと、せっかくの贈与も「相続財産の先食い」と見なされ、節税効果が消えてしまいます。


2. 【図解】7年ルールの罠。あなたの贈与は「有効」か?

どの時期の贈与が相続税の対象になるのか、視覚的に整理しました。2026年4月以降に相続が発生した場合、この「持ち戻し」の期間が大きなカギを握ります。

【2026年版】生前贈与「7年持ち戻し」のイメージ図
7年前 4年前 3年前 相続発生(死亡)
● 亡くなる前3年以内の贈与:
金額に関わらず、すべて相続財産に足して計算(節税効果なし)。
● 亡くなる前3年〜7年の贈与:
合計100万円を超える分を相続財産に足して計算。
● 7年より前の贈与:
相続税の対象外!早く始めるほど有利。

3. 2026年4月、相続税を抑えるための「3つの処方箋」

「7年」という長い期間を考慮すると、これまでの「毎年110万円ずつ渡す」だけの戦略では不十分です。以下の対策を組み合わせて検討しましょう。

① 「孫」への贈与を活用する

原則として、相続人(子など)ではない「孫」への贈与は、この7年ルールの対象外です(※代襲相続人や遺言で財産をもらう場合を除く)。
子供に渡すよりも、孫に直接渡す方が、相続税を回避しながら次世代にお金を残せる可能性が高まります。

② 「教育資金の一括贈与」の特例を使う

最大1,500万円まで非課税で贈与できる特例です。この制度を使って贈与された資金は、原則として7年ルールの対象外(持ち戻しなし)となります。
2026年3月末までの期限でしたが、制度の延長や条件を確認し、まとまった資金を早めに移転させる手段として有効です。

③ 贈与した資金で「子供の新NISA」を支援する

ただ現金を渡すのではなく、贈与した資金を子供や孫の「新NISA」の原資に充てるようアドバイスしましょう。
親の世代で相続税がかかる資産を、子の世代で「非課税で増える資産」に変換する。これが2026年において最も効率的な資産承継の形です。


4. ロキのアドバイス:相続対策は「健康なうち」が鉄則

医療現場では「予防に勝る治療なし」と言います。相続対策も全く同じです。
「7年ルール」がある以上、体調が悪くなってからでは、どんなに優秀な税理士やFPがついても、救える資産は限られてしまいます。

2026年4月。春の訪れとともに、一度ご家族で「これからの資産の形」について話し合ってみませんか?


結び:家族の絆を守るためのお金

相続対策は、単なる節税のためだけではありません。残された家族が争うことなく、感謝の気持ちとともに資産を引き継ぐための準備です。

次回はいよいよ連載最終回。**「負担増を跳ね返す!新NISA×iDeCoの再設定ガイド」**をお届けします。増える支出をどうやって資産運用でカバーするか、具体的な数字とともに解説します。

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