
2025年の新NISA制度が始まり、投資に興味を持つ方が増えています。「新NISAを始めたいけれど、どこに投資をしたらいいか分からない」「とりあえず始めてみたけれど、この投資先で本当に良いのか不安」といった悩みをお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
このブログ記事では、投資初心者の方を中心に、新NISAでおすすめの投資先10選を、その特徴や過去のパフォーマンスを交えて徹底解説します。ぜひ、ご自身の投資方針に合った銘柄を見つけるヒントにしてください。
1. eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
「迷ったらこれ!」投資の王道
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)は、投資の「王道中の王道」と評される投資信託です。アメリカ、日本、ヨーロッパ、中国、台湾、インド、ブラジルなど、全世界47カ国にこれ1本で投資ができる非常に万能な商品です。SBI証券や楽天証券でも販売ランキングの上位1位か2位に常に位置しています。
• 特徴: どこかの特定の国や業種に絞らず、世界全体に広く分散投資することで、特定の地域のリスクを抑えられます。世界の人口が増加し、流通する通貨の量も増えているため、長い目で見れば株価は上昇するという考えに基づいています。
• 過去のパフォーマンス: 過去10年間で年率12.4%、20年間で年率10.2%、30年間でも年率10.2%というリターンを出しています。これは、コロナショックやリーマンショック、ITバブル崩壊といった過去の大暴落を経験した上での数字であり、一時的に下落することはあっても、長期で見れば着実に増加する「世界株式の特性」を示しています。
• 向いている人: 投資初心者で「まずは手堅く始めたい」「どこに投資すべきか分からない」という方に最もおすすめです。
2. eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
世界経済の中心「アメリカ」に集中投資
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)は、アメリカの代表的な企業500社に投資する投資信託です。全世界株式が約3000社に投資するのに対し、S&P500は500社に絞られています。
• 特徴: 全世界株式の約60%はアメリカ企業が占めているため、実質的に世界経済はアメリカが中心であるという考え方に基づいています。全世界株式のトップ10企業とS&P500のトップ10企業はほぼ同じであり、「マグニフィセント・セブン」と呼ばれるGoogle、Apple、Amazon、Facebookといった巨大ハイテク企業が含まれています。全世界株式に含まれる「しょぼい国や企業」を避け、アメリカの優良企業に絞ることで、より高いリターンを目指すという考え方です。
• 過去のパフォーマンス: 過去10年間で年率15.1%、20年間で年率12.0%、30年間で年率12.3%と、全世界株式よりも2%程度高いリターンを出しています。
• 向いている人: 「世界経済はやはりアメリカが中心」「より高いリターンを狙いたいが、極端なリスクは避けたい」という方に適しています。ただし、投資先がアメリカに集中するため、アメリカ経済が不調になった場合にはそのリスクを負うことになります。
3. 日興 NASDAQ100
最先端テクノロジー企業で「攻めの投資」
日興 NASDAQ100は、アメリカの「イケてる先進的な企業群」であるNASDAQ市場に上場する100社に投資する投資信託です。S&P500が500社に投資するのに対し、NASDAQ100はさらに厳選された100社に絞られています。
• 特徴: 全世界株式やS&P500のトップ10企業とNASDAQ100のトップ10企業はほぼ同じであるため、「どうせなら最も効率の良いNASDAQ100に投資しよう」という考え方ができます。S&P500をさらにシャープに絞り込んだ形といえます。
• 過去のパフォーマンス: 過去10年間で年率19.4%、20年間で年率15.9%、30年間で年率15.2%と、S&P500よりもさらに3~4%高いリターンを出しています。
• 注意点: リターンが高い分、価格の変動(ブレ幅)も非常に大きい点が特徴です。例えば、2000年頃のITバブル崩壊時には、NASDAQ100は一時的に-80%もの記録的な下落を経験しています。高いリターンを追求する一方で、その変動リスクも理解しておく必要があります。
4. SBI・V・インド株式インデックス・ファンド / 楽天・インド株式ファンド
人口ボーナスに期待!成長著しい「インド株」
SBI・V・インド株式インデックス・ファンドと楽天・インド株式ファンドは、いずれもインドの株式市場に投資する商品です。SBI証券では前者を、楽天証券では後者を購入できるなど、購入できる証券会社によって商品名が異なります。
• 特徴: これらのファンドは、インドの主要な指数であるセンセックス(老舗優良企業30社)やニフティ・フィフティ(優良企業50社)に連動します。インドは人口世界1位(14億人以上)であり、特に15歳から50歳までの労働世代が非労働世代の2倍いる「人口ボーナス」の時期にあります。これは、日本の高度経済成長期と同様の状況であり、今後の経済成長が大いに期待されています。また、インド人はITや数学に強く、世界の有名企業の社長にインド人が多いことも注目点です。
• 手数料: インドのインデックスファンドは全体的に手数料が高い傾向にありますが、これら2つは業界で最も安い水準にあるとされています。
• 注意点: 「インドは来るぞ来るぞ詐欺」という言葉もあるように、過去から期待されながらも期待通りの成長を見せていないという声もあります。直近1年間では-7%と下落している時期もあり、短期的な動きに一喜一憂するのではなく、10年、15年、20年といった長期的な視点でインドの成長に賭ける価値があるかを判断することが重要です。
5. eMAXIS Slim 国内株式(日経平均)/ eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)
なじみのある「日本株」に投資
eMAXIS Slim 国内株式(日経平均)とeMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)は、日本の株式市場に投資する投資信託です。
• 日経平均: 日本経済新聞社が選んだ優良企業225社(日経225)で構成されます。
• TOPIX: 東京証券取引所に上場する全企業を対象とした指数です。TOPIXの中に日経平均が含まれる形となります。
• 特徴: トヨタ、ソニー、ユニクロ、ソフトバンク、任天堂など、世界で活躍する日本企業が多数含まれています。S&P500や全世界株式が為替の影響を直接受けるのに対し、日経平均やTOPIXは為替の直接的な影響を受けにくいという特徴があります(間接的な影響は受けます)。
• 過去のパフォーマンス: 特に日本の株式は、過去のバブル期の高値の影響で、30年といった長期で見ると見劣りすることがあります。しかし、直近5年間では、日経平均が+12%、TOPIXが+15.6%と好調です。TOPIXの方が比較的小規模ながら勢いのある企業も含まれるため、日経平均よりも高いリターンを出している傾向があります。
• 向いている人: 「外国企業はよく分からない」「為替の影響が心配」「やっぱり日本の企業に投資したい」という方に適しています。特に、広く多様な日本企業に投資したい場合はTOPIXがおすすめです。
6. 野村世界業種別投資シリーズ(半導体)
「21世紀の石油」半導体関連企業に特化
野村世界業種別投資シリーズ(半導体)は、「21世紀の石油」とも呼ばれる半導体分野に特化した投資信託です。
• 特徴: AIや自動運転、さらには兵器など、21世紀のテクノロジーに不可欠な半導体を製造する企業(NVIDIA、Intel、ブロードコムなど)約20〜30社で構成されています。ChatGPTを開発するOpenAIやGoogle、AmazonといったAI企業そのものではなく、それらを支える半導体を作る企業に投資する点がポイントです。
• 過去のパフォーマンス: 過去10年間で日本にある投資信託の中で最も高いリターンを出しており、10年間で年率27.59%、5年間で年率41.64%、3年間では年率50.19%という驚異的な数字を記録しています。100万円を投資した場合、3年後には約338万円、5年後には約570万円、10年後には約1143万円になった計算になります。
• 注意点: 非常に高いリターンが期待できる反面、その勢いが今後も続く保証はありません。変動リスクも非常に高いため、「S&P500などでは物足りない、もっと刺激が欲しい」という方向けであり、リスクを十分に理解した上で検討する必要があります。
7. SBI・SCHD / 楽天・SCHD
高いリターンと配当金を両立「米国高配当株」
SBI・SCHDと楽天・SCHDは、米国高配当株に投資する投資信託です。S&P500ほど爆発的なリターンは期待できないものの、安定した配当金とそれなりの株価上昇が望めます。こちらもSBI証券と楽天証券で異なる商品名で提供されています。
• 特徴: ハイテク系の企業はほとんど含まれておらず、製造業など景気に大きく左右されにくい業種が多く含まれているのが特徴です。過去連続で増配(配当金が増加)しており、財務状況も健全な優良企業100社が選ばれています。
• リターンのイメージ: 年利約5%程度の株価上昇に加え、毎年3%〜4%程度の配当金が受け取れるイメージです。
• 位置づけ: S&P500が「ハイリスク・ハイリターン」、米国債が「ローリスク・ローリターン」とされるのに対し、SCHDは**「ミドルリスク・ミドルリターン」**に位置づけられます。S&P500ほどリスクを取りたくないけれど、債券のようにリターンが低すぎるのも避けたいという方に適しています。
8. iシェアーズ ゴールドインデックス・ファンド(為替ヘッジなし)
「有事の金」安定資産としての役割
iシェアーズ ゴールドインデックス・ファンドは、いわゆる**「金(ゴールド)」に投資する投資信託**です。
• 特徴: 一般的に、金と株は逆の動きをすると言われています。例えば、戦争や経済の混乱など「世の中が乱れる」と株が売却され、その資金が金に流れて金の価格が上昇する傾向があります。逆に、世の中が正常化すると金が売却され、株が買われる動きが見られます。金は「安定資産」と言われますが、株のように企業が価値を生み出すわけではなく、需要と供給によって価格が変動する点が異なります。
• 過去のパフォーマンス: 過去10年間で年率12.6%、20年間で年率12.1%、30年間で年率9.3%と、安定資産としては非常に高いリターンを出しています。特に最近は、地政学的なリスクが高まっていることから、金の価格が上昇しています。
• 注意点: 金も安定資産ではありますが、1980年頃には-65%、2008年には-30%といった大暴落を経験したこともあります。一般的には、株式と金を両方持つことで、ポートフォリオ全体を安定させられると言われています。株式投資だけでは不安な場合の選択肢として有効です。


9. eMAXIS Slim 先進国債券インデックス
安定運用をサポートする「債券」
eMAXIS Slim 先進国債券インデックスは、債券に投資する投資信託です。
• 特徴: 株式が「ハイリスク・ハイリターン」とされるのに対し、債券は基本的に「ローリスク・ローリターン」に位置づけられます。債券は、株式が「アクセル」であるとすれば、「ブレーキ」のような役割を果たします。株価が下落した時に、債券の価格が安定している、あるいは上昇することで、ポートフォリオ全体の変動を抑える目的で活用されます。
• 過去のパフォーマンス: 過去1年間では-2.9%、3年間で年率4.65%、5年間で年率4.2%といったリターンであり、株式投資に比べてリターンは控えめです。単独で高いリターンを目指すものではなく、株式などの他の資産と組み合わせて使うことで意味を発揮します。
• 向いている人: 投資でお金を増やすだけでなく、「お金を使いたい時に資産が暴落していないようにしたい」「安定した運用をしたい」という考えの方に、株式などと組み合わせて持つことが推奨されます。
10. eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)
「おまかせ」で手軽に分散投資
eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)は、日本・先進国・新興国の株式、債券、不動産の8種類の資産に、それぞれ12.5%ずつ均等に分散投資するファンドです。
• 特徴: 投資会社が自動的に各資産のリバランス(資産配分の調整)を行ってくれるため、「どの資産にどれだけ投資すればいいか分からない」「複雑なことは苦手」という方に適しています。株・債券・不動産という異なる種類の資産にバランス良く投資することで、安定的な運用が期待できます。
• 注意点: 株式の比率が約3割と低く、債券や不動産が約7割を占めるため、株式中心のファンドに比べてリターンは控えめになる傾向があります。また、こうしたバランス型ファンドは、手数料が割高な場合があるため、長期的なリターンが目減りする可能性も考慮する必要があります。
• 向いている人: 「とにかく不安で投資に踏み出せない」「お任せで安定的に運用したい」という方に、投資を始める第一歩として有効な選択肢です。ただし、その仕組みを理解し、手数料とのバランスを考慮することが大切です。
あなたに最適な投資先を見つけるために
今回ご紹介した10の投資先は、それぞれ異なる特徴とリスク・リターンを持っています。「どれが正解」というものはありません。大切なのは、ご自身の目標やリスク許容度に合わせて、**「長期にわたって運用を続けられるか」**という点です。
短期的なハイリターンばかりを追い求めるのではなく、年率5%程度でも着実に増加する投資を長い年月続けることこそが、老後資金などを安定的に増やす上で非常に重要です。
新NISAを始めるなら、まずは証券口座を開設しよう!
ここまで読み進めて、「よし、新NISAを始めよう!」と感じた方もいらっしゃるのではないでしょうか。新NISAを始めるには、まずは証券口座を開設することからスタートします。
今回ご紹介した人気投資信託の多くは、楽天証券、SBI証券、そしてマネックス証券といった大手ネット証券で手軽に購入できます。これらの証券会社は、手数料も低水準で、投資初心者の方にも使いやすいサービスを提供しています。
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