
「投資を始めたいけど、何を選べばいいか分からない…」「とりあえずオルカンってよく聞くけど、どうなの?」



今、投資初心者の方から経験者まで、多くの投資家から絶大な支持を集めているのが「オルカン」、正式名称「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」です。
その人気ぶりは、データを見ても明らかです。例えば、楽天証券の積立設定金額ランキングでは堂々の1位に輝いています
ちなみに、2位と3位も人気の「S&P 500」関連ファンドが続いています。さらに、個人投資家が選ぶ「ファンド オブ ザ イヤー 2024」でも、オルカンがダントツの1位を獲得しています。まさに、投資信託の中でも「王道」とも言える存在になりつつあります。




はじめに:なぜ今、オルカン(全世界株式)がこれほどまでに人気なのか?



なぜ、オルカンはこれほどまでに多くの投資家に選ばれているのでしょうか? その人気の背景には、主に以下の点が挙げられます。
•圧倒的な長期パフォーマンス
過去のチャートを見ると、1987年から約8倍にまで上昇しており、短期的な値動きはあるものの、長期で見れば右肩上がりが続いていることが人気の要因です。


•安価なコストと手軽さ
非常に安価なコストで全世界の株式へ幅広く投資できる「素晴らしい商品」であると評価されています。
•「ほったらかし」投資に最適
「本気でほったらかしにしたい」「シンプルにして最強」「未来永劫バイ&ホールドが可能」な無敵なファンドと認識されています。
•優れた分散性
株式時価総額比率で分散投資を行い、世界全体の株式市場の規模に応じて構成比率が自動で変化する点も大きな魅力です。特に現在は米国株が約64%を占めていますが、今後他の国の比率が増えれば自動で調整されます。
•安心感
最近は米国株(S&P 500など)の好調さが目立ちますが、オルカンは世界全体に分散しているという観点から、多くの投資家が「余裕を持てる」と感じていることも好評の理由です。
これらの理由から、オルカンは「資産運用の王道」として広く認知されています。



ただし、多くの投資家が選び、シンプルで魅力的なオルカン投資ですが、投資を始める前に「これだけは絶対に理解しておくべき」という大切なポイントが5つあります。本記事では、その5つのポイントを深掘りして解説していきます。
オルカン(全世界株式)が投資家に選ばれる具体的な理由・魅力とは?
前章では、オルカンが「今、大人気」であること、そして楽天証券の積立設定額ランキングで1位、個人投資家が選ぶ「ファンド オブ ザ イヤー 2024」でもダントツの1位を獲得しているなど、高い評価を得ていることに触れました。では、なぜこれほどまでに多くの投資家がオルカンを選ぶのでしょうか?その具体的な理由と、オルカンが持つ魅力について深掘りします。



オルカンが多くの投資家から支持される主な理由は以下の通りです。
1.圧倒的な長期での成長実績
オルカンの人気の背景には、過去のチャートが示す長期的な成長実績があります。具体的には、オルカンの対象指数は1987年から約8倍にまで上昇しており、短期的な価格変動は繰り返すものの、長期で見ると一貫して右肩上がりの傾向を示しています。このような安定した長期的な成長性は、特に長期の資産形成を目指す投資家にとって、非常に魅力的な要素となります。
2.手軽さと安価なコスト
オルカンは、投資初心者から経験者まで、誰もが非常に手軽に始められる点も大きな魅力です。Emaxis Slimシリーズは、非常に安価なコスト(信託報酬)で全世界の株式へ幅広く投資できる「素晴らしい商品」と評価されています。投資にかかるコストを抑えられることは、長期運用においてリターンを最大化するために非常に重要です。
3.「ほったらかし」投資に最適な設計
オルカンは、「本気でほったらかしにしたい」と考える投資家にとって、まさに理想的なファンドです。そのシンプルさ、分散性、そして自動調整機能から、「シンプルにして最強」であり、「未来永劫バイ&ホールドが可能」な「無敵なファンド」と認識されています。一度設定すれば、その後の管理に手間がかからない点は、忙しい現代人にとって大きなメリットです。
4.優れた分散性と自動調整機能
オルカンは、先進国と新興国を含む全世界の株式、約3,000銘柄に投資を行うことで、優れた分散投資を実現しています。分散は株式時価総額比率で行われ、これは世界の株式市場の規模に応じて、ファンドの構成比率が自動的に変化することを意味します。例えば、現在は米国株が全体の約64%を占めていますが、もし今後、米国以外の国の経済成長が加速すれば、それに合わせて自動的にその国の株式の構成比率が増加します。このように、時代と共に自動でポートフォリオが最適化される点は、手動でのリバランスが不要となり、投資家にとって大きな魅力となります。
5.世界全体への分散による安心感
最近は米国株(S&P 500など)の好調さが目立ちますが、オルカンは世界全体に分散投資しているという観点から、特定の国や地域のリスクに過度に晒されることなく、多くの投資家が「余裕を持てる」と感じていることも、高い支持を得ている理由の一つです。世界の成長をまるごと享受できるという安心感は、特に長期投資を続ける上で精神的な安定をもたらします。また、「本気でほったらかしにしたい」というニーズに応える信頼感も、人気の要因です。
これらの理由から、オルカンは多くの投資家にとって「資産運用の王道」と言える存在となっています。
失敗しないために!オルカン(全世界株式)投資を始める前に必ず理解すべき5つのポイント
前章までで、オルカン(Eマクシススリム全世界株式(オール・カントリー))がなぜこれほどまでに多くの投資家に選ばれ、「資産運用の王道」と言われるのか、その人気の理由や魅力について解説しました。



しかし、シンプルで魅力的に見えるオルカン投資にも、投資を始める前に「これだけは絶対に理解しておくべき」という大切なポイントが5つあります。これらのポイントを事前に知っておくことで、より安心して、そして着実にあなたの資産形成を進めることができるでしょう。
ここでは、オルカン投資を始める初心者が絶対に理解すべき必須知識5選を深掘りして解説します。
<必須理解ポイント1:オルカンは思った以上にリスクの高い商品である>
まず、オルカンは「思っていた以上にリスクの高い商品である」という点を十分に理解しておく必要があります。
投資における「リスク」とは、一般的に「値動きの幅」のことを指します。つまり、価格が大きく変動する可能性があるということです。
オルカンは全世界の株式に分散投資していますが、株式は基本的に値動きの大きい資産クラスです。具体的な事例を見てみましょう。
•例えば、2020年のコロナショック時には、オルカンも直近のピークからなんと33%も下落しました。もし100万円を投資していたら、一時的に33万円もマイナスになったということです。
•また、比較的新しい例では、2025年4月には株価下落と円高の影響もあり、直近のピークから20%近く下落しました。
オルカンは外国の通貨で投資するため、為替レートの変動による「為替リスク」も存在します。今後さらに円高が進むことで、資産価値が一層下落する可能性もあります。



株式100%で構成されるオルカンは、債券などを組み合わせたバランス型ファンドなどと比べると、やはり高リスクであります。
「全世界に分散しているから安心」「右肩上がりだから大丈夫」と過信せず、オルカンも価格が大きく下落する可能性がある商品であることを、肝に銘じておきましょう。
<必須理解ポイント2:大きく下落した時こそ積立をやめない>
オルカン投資において、特に重要な心構えの1つが、「大きく下落した時こそ積立を続ける」ことです。
先ほどのリスクの話と関連しますが、価格が大きく下落すると、含み損が大きくなり、不安になって投資をやめてしまいたくなるかもしれません。しかし、ここで積立をストップしてしまうのは非常にもったいない行動です。
なぜなら、価格が下落しているということは、普段より「安く」オルカンを買い増しできるチャンスだからです。例えば、20%下落した局面で積立を続ければ、自動的に20%引きで資産を積み上げていることになります。これは、長期的な視点で見れば将来のリターンを高めることにつながります。
慌てやすい初心者の方こそ、市場の変動に一喜一憂せず、淡々と積立投資を続けることで、精神的な余裕を持って資産形成を進めることができるでしょう2。
<必須理解ポイント3:VS S&P500の論争に終わりはない>
新NISAの登場以降、特に多くの投資家が悩むのが、「オルカンに投資すべきか、それとも米国株のS&P 500に投資すべきか」という問題です。
過去のパフォーマンスだけを見ると、1987年からの上昇率でオルカンが約8倍なのに対し、S&P 500は約24倍と、米国株の成長が顕著です。特にリーマンショック以降は、GAFAなどのハイテク企業に牽引され、米国株は絶好調が続いています。



このデータだけを見れば、「S&P 500の方が良いのでは?」と思うかもしれません。しかし、今後の世界の経済情勢がどうなるかは誰にも分かりません。現在の米国株の好調が「今後もずっと続くとは限りません」。例えば、今後AI分野などで中国がさらに躍進し、世界の株式市場における存在感を増す可能性も考えられます。
そういった未来の不確実性まで考慮に入れると、やはり全世界に分散投資するオルカンの方が「無難」という考え方もあるでしょう。
ちなみに、オルカンとS&P 500の両方を「1対1」の比率で保有することを検討している方もいるかもしれません。ここで注意したいのは、オルカンの構成比率の約60%以上はすでに米国株であるということです。そのため、オルカンとS&P 500を両方持つと、あなたのポートフォリオにおける米国株の比率はなんと82%と、思っている以上に米国株に偏ってしまうことになります。
ただし、これが決して悪いというわけではなくもし両方持つことが「精神的な余裕につながるなら個人的にはあり」です。重要なのは、「今は好調な米国株もどこかで低迷する可能性まで考慮する」ことです。この観点から、やはりオルカンが多くの投資家にとって「無難」な選択肢とされています。
<必須理解ポイント4:オルカンよりハイリターンな商品があっても気にしない>
投資をしていると、どうしても他の人が大きな利益を出している話を聞いたり、特定の年のパフォーマンスが突出して良い資産クラスを見たりして、「もっとハイリターンな商品はないかな…」と隣の芝生が青く見えがちです。
しかし、毎年、最もパフォーマンスが良い資産(アセットクラス)は変動します。例えば、2020年は新興国株式が1位、2022年は日本株式、2023年は米国株を含む先進国株式が1位でした。
オルカンは、先進国と新興国を含む「世界全体の株式の平均点」のようなものです。そのため、特定の年に他の特定の資産クラスよりも突出してハイリターンになることは、「基本としてない」と認識しておきましょう。
それでもオルカンが多くの投資家から絶大な信頼を得て人気なのは、前章でも触れたように、「本気でほったらかしにしたい」「シンプルにして最強」といった、その手間のかからなさや分散性への「大きな信頼」が寄せられているためです。
「オルカンは世界全体の平均点」であることを理解し、他のハイリターンな商品に目移りして慌てて乗り換えたりせず、「あまり気にしすぎない」ことが、オルカン投資を続ける上では重要です3。
<必須理解ポイント5:急いで儲けようとしない、最低でも5年は気長に運用>
最後のポイントは、「オルカン投資で急いで儲けようとしないこと」です。そして、「最低でも5年間は気長に運用すること」を心構えとして持つことが重要です。
新NISAでは非課税期間が無期限になったことで、「できるだけ長く運用を続けていく」ことが、そのメリットを最大限に生かす上で何より大事になります。しかし、残念ながら、投資信託全体の平均保有期間は約2年~3年というデータもあり、短期間で売却してしまう投資家が多いのが現実です。



オルカン投資は、決して「一攫千金を夢見るような」投資法ではありません。コツコツと地道に積み立てを続けることで、長期的に世界の経済成長の恩恵を受け、「利益を期待するもの」です。
そのため、すぐに結果が出なくても焦らず、最低でも5年間は運用を続けるという意識を持つことが大切です。できれば、将来の老後資金や子供の教育資金など、「じっくりと気長に運用」する具体的な目標を持って取り組むと良いでしょう。



オルカンは、「先進国と新興国の株式約3000銘柄に幅広く分散投資をしてくれる」点で、確かに「資産運用の王道」と言えます。しかし、これらの注意点を理解し、感情に左右されず「継続」することが、オルカン投資で成功するための鍵となります。
まとめ:オルカン投資の王道と注意点
・オルカン1つを選べば、先進国と新興国の株式役3000銘柄に幅広く分散投資をしてくれる点で資産運用の王道ともいえます。
・ただ初心者がオルカンへ投資する前に絶対理解すべきこともあります。
①思った以上にリスクの高い商品である。
②大きく下落した時こそ積立をやめない。
③オルカンvsS&P500論争は終わりがない。
④オルカンよりも高リターンな商品があっても気にしない。
⑤急いで儲けようとしない。最低でも5年は気長に運用する。
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