【金投資】新NISAで注目のゴールドETF5選を徹底比較!

金投資

 金(ゴールド)は、近年世界情勢の不安定化やインフレリスクの高まりを受け、安全資産としての魅力が再認識されています。過去20年間で見ると、ゴールドの価格は海外株式のリターンを上回るほどの高騰を見せています。
 紙幣のように価値がゼロになるリスクが低く、株式や債券とは異なる値動きをするため、ポートフォリオの安定化、つまり分散投資の効果も期待できます。特に、リーマンショックやコロナショックのような株価下落局面では、クッションのような役割を果たしてくれる傾向があります。

新NISAの成長投資枠を活用して、そんな金に効率的に投資したいと考えている方も多いのではないでしょうか。

投資信託に比べて、ETFは一口あたりの購入金額が高い、米ドルでの取引が必要な場合があるといったハードルはあるものの、圧倒的に運用コストを安く抑えられるという大きなメリットがあります。長期で資産を増やしていく上で、このコストの差は非常に重要です。

この記事では、新NISAの成長投資枠で買える人気のゴールドETF5選の特徴や運用コストを比較し、さらに「自分に合った一本」を見つけるためのチェックポイントを詳しく解説していきます。

目次

1. 金の果実 (銘柄コード: 1540)

•特徴
 日本で最も歴史と知名度のある国内ETFです。最大の特徴は、**実際に国内で保管されている金地金を裏付けとしている「現物国内保管型」**である点です。国際情勢がどれだけ不安定になっても、資産が物理的に国内にあるという安心感は大きな魅力です。
また、一定の受益権口数を保有していれば、現物転換制度を利用して金地金の現物を受け取ることが可能というユニークな制度もあります。

•注意点
 連動を目指すのは大阪取引所の金先物価格の理論値であり、国際的な現物価格とは必ずしも一致しない「ベーシス」と呼ばれる価格差が生じる可能性があります。

•コスト
**年率0.44%**と、今回比較するETFの中では最も高い水準です。

•こんな人におすすめ
 圧倒的な歴史と運用安定性を重視し、国内での現物保管による安心感に価値を見出す方。

2. iシェアーズ ゴールド ETF (銘柄コード: 314A)

•特徴
  世界最大の資産運用会社ブラックロックが運用する国内ETFで、2025年1月に東京証券取引所に上場した比較的新しい銘柄です。このETFは、直接金を持つのではなく、ロンドンで取引されている低コストの金商品「iシェアーズ フィジカルゴールドETC」に投資する**「FUNDオブFunds」形式**を取っています。このETCはLBMA金価格に連動するため、間接的に金の現物価格の動きに投資することを目指します。

•メリット
外国ETF特有の為替取引や外国税といった手間を運用会社に任せられるため、取引は日本円で完結し、税金もシンプルです。

•コスト
**年率0.22%**と非常に低コストに設定されています4。

•こんな人におすすめ
国内ETFの手軽さを求めつつ、海外ETFのような低コストも両立したい方。

•考慮点
  上場から年数が浅く、純資産総額もまだ小規模なため、今後の運用安定性は未知数な部分もあります。

3. SPDR ゴールドシェア (銘柄コード: GLD)

•特徴
 米国のステートストリート・グローバル・アドバイザーズが運用する米国ETFで、2004年に米国で初めて設定された**「元祖」ゴールドETF**です。その歴史と実績は他のETFと比較して群を抜いています。投資家から集めた資金で金地金を信託財産として、ロンドンのHSBC銀行の金庫室で保管する「現物裏付け型」です。

•コスト
  **経費率は年率0.4%**と、他の米国ETFに比べてやや高めです。

•こんな人におすすめ
 信頼と実績を最重視し、圧倒的な安定性を求める方

4. SPDR ゴールド・ミニシェアーズ・トラスト (銘柄コード: GLDM)

•特徴
 GLDと同じステートストリートが運用する米国ETFです。「ミニシェアズ」の名前の通り、個人投資家がより少額から購入しやすいように設計されています。

•コスト
 **年率わずか0.1%**という非常に低コストが最大の特徴です。

•こんな人におすすめ
  為替取引の手間を考慮しても、**とにかくコストを最小限に抑えたい「コスパ重視」**の長期投資家。

5. iシェアーズ ゴールド トラスト (銘柄コード: IAU)

•特徴
 314Aと同じブラックロック社が運用する米国ETFで、2005年に運用が開始されました。GLDに次ぐ純資産総額と流動性を誇り、長年GLDのライバルとして人気を集めてきました。運用方式はGLDと同様の「現物裏付け型」です。

•コスト
**経費率は年率0.25%**で、GLDよりは安いもののGLDMよりは高い、中間的な位置付けです。

•こんな人におすすめ
 米国ゴールドETFに投資したいが、GLDほどコストをかけたくなく、GLDMよりは流動性や運用安定性を重視したいというバランス重視の方

自分に合ったゴールドETFを選ぶ3つのチェックポイント

ここからは、上記のETFの特性を踏まえて、あなたに最適な一本を見つけるためのチェックポイントを解説します。

1. まずは「お試し」で少額から始めてみたいか?

投資を始める際、いきなり大きな金額を投じるのは不安なものです。ゴールドETFは、銘柄によって一口あたりの価格が大きく異なります3。

〜少額から始めたい方には

314A (iシェアーズ ゴールド ETF): 現時点で約2,300円前後から購入可能で、非常に手軽です。

IAU (iシェアーズ ゴールド トラスト)GLDM (SPDR ゴールド・ミニシェアーズ・トラスト): 一口あたり1万円前後から購入でき、比較的始めやすい部類に入ります。

〜まとまった金額で始めたい方には〜

◦金の果実 (1540) や GLD (SPDR ゴールドシェア): 一口あたりの価格が数万円と高めなので、しっかりとした金額で投資したい方向けです3。

2. とにかく「運用コスト」を抑えたいか?

投資の利益は不確実ですが、手数料(運用コスト)は確実に発生し続けます。

〜運用コストを最優先するなら〜

◦GLDM (SPDR ゴールド・ミニシェアーズ・トラスト): **年率わずか0.1%**の経費率で、圧倒的なコスパを誇ります3。米ドルへの両替や確定申告の手間は発生する可能性がありますが、コスト重視の方には十分その価値があります3。

〜コストも大事だが手間はかけたくないなら〜

314A (iシェアーズ ゴールド ETF): 国内ETFで手間が少なく、コストも抑えられます3。

〜コストとファンドの規模・流動性を両立したいなら〜

◦IAU (iシェアーズ ゴールド トラスト): IAUが選択肢に入ってきます。 商品特性とコストのバランスが良いです。

3. 裏付けとなる金は「日本国内」に保管してほしいか?

万が一の国際情勢の混乱や金融危機に備え、裏付けとなる金が物理的に日本国内にある方が安心という考え方もあります。

〜国内保管を重視するなら〜

◦金の果実 (1540): 唯一、国内に金地金を保管しているETFです。信託報酬は割高ですが、この安心感は他に代えがたい魅力です。

※ご参考: 他の4銘柄は全てロンドンなどの海外で金が保管されています。

個人的な考え

私個人としては、現時点では万人に新NISA枠でゴールドETFに投資を強くおすすめはしません。新NISAでは、運用益非課税というメリットを最大限に活かすため、期待リターンの高いS&P500やオルカンなどの超低コストなインデックスファンドや米国ETF・個別株といった株式に積極的に投資していく戦略をオススメ。

しかし、家族ができたり年齢を重ねたりしてリスク許容度が低くなってきた際には、ポートフォリオに株式だけでなく、債券やゴールドも組み入れて資産全体の安定感を高めることは非常に重要だと考えています。その場合、新NISA枠ではなく特定口座で、今回ご紹介したような低コストのゴールドETFや投資信託を少しずつ買い増していく形になるでしょう。

なぜなら、ゴールドはここ20年くらいは世界情勢の影響で大きく伸びていますが、長い時間軸で見ると、株式と比べて長期的な期待リターンは劣る傾向があるからです。そのため、運用益が非課税になる新NISA枠は、より大きなリターンが期待できる株式投資に優先的に使い、ゴールドは課税口座で**「ポートフォリオのお守り」**として持つのが、私にとって最もコスパが良いと考えています。

まとめ

ゴールドETFは、投資信託に比べて為替取引の手間や最低購入金額のハードルがあるものの、運用コストを抑えられるという大きなメリットがあります。

今回の「手軽さ」「コスト」「国内保管」といった視点を参考に、ご自身の投資戦略に合ったゴールドETFを選んでみてください。投資戦略は人それぞれ異なります。ぜひこの記事を参考に、あなたなりの戦略で資産運用を続けていきましょう。

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