【50代・60代必見】新NISAと年金を組み合わせる「最強マネーマシン」戦略とは?

老後の生活設計、特に「年金」について漠然とした不安を抱えている50代、60代の方は多いのではないでしょうか?「働いたら年金がカットされるのでは?」「年金は繰り下げ受給した方がお得?」といった疑問や誤解も少なくありません。

しかし、実は年金の仕組みを正しく理解し、2024年から始まった新NISAを組み合わせることで、年金の不安を減らし、老後の資産を大きく増やす「最強のマネーマシン」を構築できる可能性があります1。

この記事では、年金に関する一般的な誤解を解き明かしながら、新NISAと年金を組み合わせた具体的な戦略と、その驚くべきシミュレーション結果を詳しく解説していきます。

目次

1. 「働いたら年金カット」はほとんどの人に関係ない!?3つの大きな勘違い

「定年後にパートにしようかな…」と考える人の多くが抱える「働いたら年金がカットされる」という心配。

しかし、結論から言えば、ほとんどの人にとってこの心配は不要です。

年金がカットされる仕組みは「在職老齢年金(ざいしょくろうれいねんきん)」と呼ばれ、以下の3つのポイントを理解することが重要です。

•基礎年金はカットの対象外: 在職老齢年金でカットされるのは厚生年金の一部のみです。国民年金(基礎年金)はカット対象に含まれません。例えば、月16.8万円の年金を受け取る場合、そのうちの基礎年金6.8万円はカット対象から外れて計算されます。

•カット対象は「厚生年金+年収(月額換算)が51万円超」の場合: 60歳以上で厚生年金と年収(正確には総報酬月額相当額)を合わせた金額が月51万円を超えた場合、その超過額の半分がカットされます。しかし、厚生労働省のデータによると、60歳から64歳の平均年収は約420万円(月35万円)であり、平均的な厚生年金(月10万円)と合わせても45万円となり、51万円には達しません。つまり、平均的な収入の人はカットの対象外なのです2。

•カット基準額は年々上昇中: 2022年3月まではカット基準額が月28万円と低かったのですが、現在は51万円に引き上げられ、2026年4月以降は62万円にさらにアップする予定です。これにより、正社員として働き続けても年金カットを恐れる必要のある人はますます少なくなるでしょう。

•夫婦で合算されない: 夫婦共働きの場合でも、在職老齢年金の適用は世帯収入ではなく、個人の収入で判断されます。

したがって、年金カットを恐れて安易に正社員の地位を手放す必要はほとんどありません。

2. 60歳以降も「正社員」として働き続ける3つの大きなメリット

年金カットの心配が少ないとなれば、60歳以降も会社員として働き続けることは、実は多くのメリットがあります。

•健康第一!社会とのつながりが心の健康に直結: 高齢者が働く上で最も重視するのは「給与」ではなく「仕事内容」や「社会とのつながり」という調査結果もあります。社会に貢献している感覚や仲間がいることは、心の健康に大いに寄与します。また、安定した収入があることで、年金や資産運用の変動があっても生活への安心感が得られます

•厚生年金は「コスパ最強」の社会保障: 会社員が加入する厚生年金は、国が運営する保険商品の中でも非常にコストパフォーマンスが高いと言えます。

◦保険料の負担が軽い: 会社員の場合、保険料は給与にのみかかり、さらに会社と折半です。一方、自営業などで国民健康保険に加入すると、給与と年金収入の合算額に対して保険料がかかり、全額自己負担となります。

◦手厚い社会保障: 厚生年金には、万が一の際の「遺族厚生年金」「障害厚生年金」が含まれており、個人で加入する保険では得られない手厚い保障があります。また、雇用保険に加入していれば、失業手当も受け取れます。

◦将来の年金額が増える: 働き続けることで厚生年金保険料を支払い続けるため、将来受け取れる年金額は確実に増え、それが一生涯続きます。

•扶養配偶者がいる場合はさらに重要: 夫婦のうちどちらか一方が厚生年金と健康保険に加入していれば、収入の少ない配偶者を扶養に入れ、保険料をゼロにできます。夫婦ともに自営業や無職の場合、それぞれが国民健康保険料を支払う必要があり、家計負担が大きくなります。

3. 「年金繰り下げ受給」の意外な落とし穴:4つのデメリット

年金を繰り下げ受給(通常65歳からの受け取りを70歳や75歳に遅らせる)すると、月々の年金額が最大約1.8倍に増額されるため、一見有利に見えます。しかし、ここには見落としがちな4つのデメリットが存在します。

•所得税と住民税が増加: 増額された年金には所得税と住民税がかかります。例えば、年金収入が180万円の人が70歳まで繰り下げて42%増額され256万円になると、税金が年間約3.3万円から約14.6万円へと10万円近く増える可能性があります。

•健康保険料が増加: 年金収入が増えることで、健康保険料や介護保険料が年間数万円単位で上がる可能性があります。

•社会保障費用の負担増: 年金収入の増加は課税所得の増加につながり、高額療養費制度における自己負担枠がアップするなど、社会保障費用の負担が増える可能性があります。

•社会保障サービスが減る: 住民税非課税世帯の場合、介護保険料の減免や医療費の減免、各種福祉サービスといった恩恵を受けられますが、年金が増えることで非課税世帯の対象外となり、これらのサービスを受けられなくなる可能性があります。

4. 新NISA×年金の「最強マネーマシン」基本戦略4つ

これらの年金の特性を踏まえた上で、新NISAを組み合わせた「最強マネーマシン」戦略は以下の4つの柱から成り立ちます。

1.健康第一で生きる土台作り: お金の計算以前に、何よりも健康が重要です。元気でいられる期間を長くすることで、資産運用や働く期間を伸ばすことが可能になります。

健康はお金じゃ買えませんからね!

2.65歳までは会社で働き続ける: 上述の通り、60歳以降も会社員として働き続けることには経済的、精神的な大きなメリットがあります。60歳から65歳までの5年間は、65歳以降に本当にやりたいことを見つける期間として活用するのも良いでしょう。

3.60歳から年金を受け取り、全額NISAで運用: ここが戦略の「肝」です。

年金を60歳から繰り上げ受給すると、月額24%減額されます。しかし、この減額分を補って余りあるメリットが新NISAにはあります。

<NISAのメリット>

  • ◦NISAの売却益は非課税: NISAで運用した利益には所得税、住民税、社会保険料が一切かかりません。これにより、年金を繰り下げて税金や社会保険料が増えるリスクを回避しつつ、非課税の恩恵を最大限に享受できます
  • 社会保障サービスへの影響なし: NISAの運用益を売却しても、社会保険料が増えたり、社会保障サービスが減ったりすることはありません。
  • 取り崩しが自由: NISAの資金は必要な時にいつでも自由に引き出すことができます。
  • 安定した運用期間: 60歳から運用を開始すれば、80歳まで20年間、90歳まで30年間と長期投資が可能であり、リターンが安定する期待が持てます。
  • 働くことによる安定収入が前提: この戦略は、給与収入があるからこそ、年金全額をNISAに投入するというリスクを取れる方法です。生活費に余裕がない場合は推奨されません。

4.65歳以降はNISA+年金の「二刀流」: 65歳以降は仕事を辞めても、生活の基盤となる年金に加えて、NISAで築いた資産から計画的に取り崩す「二刀流」で生活します。

◦例えば、年率5%で運用できた場合、年間5%ずつ取り崩しても、理論上は資産がほとんど減らない「マネーマシン」として機能します。

◦新たなNISA投資は不要になる人も多く、これまで築いた資産を運用しながら取り崩すことで、税金や社会保険に左右されない老後資金が完成します。

5. 衝撃のシミュレーション結果!1000万円以上の差がつくことも

実際に、この「新NISA×年金」戦略がどれほどの効果を生むのか、具体的なシミュレーションを見てみましょう。

【シミュレーション前提】

•モデル:夫婦2人、夫は会社員、妻は専業主婦。

  • •Aさん(伝統的パターン):65歳から年金受給開始(年間180万円)。
  • 社会保険料:年間約15万円。所得税・住民税:年間約3.3万円。
  • •Bさん(新NISA×年金戦略):60歳から年金繰り上げ受給開始(24%減額で年間136万円)。
  • 社会保険料:年間約12万円。所得税・住民税:0円(控除内)。
  • 60歳から65歳まで、年金全額(136万円)を新NISAで運用(年率5%と仮定)。
  • 65歳時点でのNISA資産:868万円。
  • 65歳以降は、NISA資産から年間約43万円(年率5%相当)を取り崩し、残りは運用継続。

【65歳以降の年間実質手取り額】

  • •Aさん(65歳受給):
  • ◦年金額:180万円
  • ◦社会保険料+税金:▲18万円
  • ◦手取り:162万円
  • •Bさん(60歳繰り上げ+NISA運用):
  • ◦年金額:136万円
  • ◦社会保険料+税金:▲12万円
  • ◦NISA取り崩し:+43万円
  • ◦手取り:167万円

なんと、65歳時点ですでにBさん(繰り上げ+NISA)の方が手取り額で上回っています

【長期的な総手取り額の推移】
さらに、この差は時間が経つにつれて拡大します。

  • •70歳時点:
  • Aさん:810万円
  • Bさん:1670万円(NISA運用中の金額は含まず)
  • •80歳時点:
  • Aさん:2430万円
  • Bさん:3340万円(NISA運用中の金額は含まず)
  • •90歳時点:
  • Aさん:4050万円
  • Bさん:5010万円(NISA運用中の金額は含まず)

結果として、90歳時点ではBさんの方がAさんよりも約1000万円も多く受け取れるという驚きの結果となりました。NISA運用中の資産を含めると、Bさんの差はさらに大きくなります。

これは、NISAの運用益が非課税であること、そしてそれによって社会保険料や社会保障サービスに影響が出ないという強力なメリットを最大限に活用した結果と言えるでしょう。

6. まとめと注意点:万人にとっての正解ではない

今回の戦略は、60歳から年金を繰り上げ受給し、65歳まで会社員として働きながら年金全額をNISAで運用、65歳以降は定率で取り崩すことで、大きなメリットがあることをご紹介しました。

しかし、この戦略が万人にとっての正解ではない点には注意が必要です。

•十分な資金的余裕が前提: 年金と給与だけでは生活が苦しい人、退職金や老後の貯蓄が一切ない人には、リスクが高すぎるためお勧めできません。NISAを使った投資は、あくまで「余剰資金」で「長期投資」が前提です6。

•株式市場の変動リスク: NISAで株式インデックスなどを運用する場合、年によってはリターンがマイナスになることもあります。生活費を確保する資金をNISAで運用していると、そうした年に全額売却せざるを得なくなる可能性があります。

•繰り上げ受給の変更不可: 一度年金の繰り上げ受給を決めると、後から取り消すことはできません。また、基礎年金と厚生年金の両方が減額対象となります。

老後の生活設計には様々な選択肢があり、一人ひとりの状況によって最適な戦略は異なります。しかし、今回の「新NISA×年金」戦略は、老後の生活費や万が一の病気に備えた貯蓄を現金で確保できている人にとっては、非常に強力な選択肢となるでしょう。

この情報が、あなたの老後設計を考えるきっかけになれば幸いです。

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次