NISA(ニーサ)やS&P500への投資に興味はあるけれど、

「本当に成功できるの?」
「何から始めればいいの?」
と不安を感じている方も多いのではないでしょうか。実は、投資で成功するためには、テクニックよりも本質的なマインドセットが重要です。
今回は、Netflixの番組司会者として知られ、Instagram90万人、X30万人、YouTube80万人のフォロワーを持ち、著書が100万部のベストセラーとなっている世界的投資家、ラミット・セティ氏の教えを基に、NISA×S&P500で成功するために必要な3つのポイントを徹底解説します。



日本で言えば、池上彰さんと中田敦彦さんを掛け合わせたような影響力を持つセティ氏の投資哲学は、私たちの資産形成に大きなヒントを与えてくれるでしょう。
ポイント1:守りを先に固める「まず預金、半年分の生活費は確保!」
資産運用を始める前に、まず何よりも大切なのが**「守りを固める」**ことです。具体的には、日常生活費の半年分、できれば1年分を現金で預金として確保しておくことをセティ氏は推奨しています。



なぜ、これほどの現金が必要なのでしょうか?
もし現金が不足した場合、投資に回しているNISAやS&P500から資金を引き出さざるを得なくなります。その時にもし元本割れ(投資額を下回る状態)していたらどうなるでしょう?お金がないため、たとえ損をしていても売却するしかなくなってしまいます。これは、本来「放置しておけばいつか増える」はずの資産を、わざわざマイナスの状態で手放すことになりかねません。
例えば、毎月の生活費が20万円なら、半年分で120万円、余裕があれば1年分で240万円を目安に準備しましょう。
<▼どうやって貯める?3つの具体的な方法>



預金がなかなか貯まらないという方のために、セティ氏は以下の3つの方法を提案しています。
1. 裁量支出をカットする
◦ 毎週2回の外食を1回に減らす、タクシーではなく電車に乗る、コンビニではなくスーパーで買い物をする、スタバのコーヒーを自宅で作るなど、自分でコントロールできる支出を一時的に抑えることです。これは一生続ける必要はなく、ある程度の貯蓄ができるまでの「我慢」と捉えましょう。
2. 大きな買い物は延期する
◦ 車の買い替えや家の修繕など、命に関わらない範囲であれば、大きな買い物を可能な限り先送りします。お金が貯まるまでは、今あるものを大切に使い続ける意識が重要です。
3. 日常コストを延長する
◦ 毎月行っていた美容院を2ヶ月に1回にするなど、ルーティン化している日常的な支出の頻度を見直して伸ばす工夫です。少しずつでもお金を貯めるための最初のステップとなります。
ポイント2:3ドルではなく3万ドルにこだわる「手数料と年収アップが鍵」
投資の世界では、数円、数十円単位の節約に労力を費やすよりも、桁違いに大きなインパクトを持つ要素にこだわるべきだとセティ氏は説きます。例えば、コンビニでの買い物でセブンとローソンどちらが良いか、部屋の照明をこまめに消す、クーポンで30円安くする、といったことでは、得られる効果は限定的です。
私たちが注力すべきは、「3ドル」ではなく「3万ドル」に相当する、より大きな影響力のあることです。
▼手数料の恐ろしいインパクト
「3万ドル」にこだわる具体的な例として、セティ氏は**「手数料」の重要性**を強調します。
多くの人が無意識に選んでしまう、手数料の高い金融商品(外貨建て保険、変額保険、よくわからないアクティブファンドなど)から、手数料の安いインデックス投資に切り替えることが非常に大切です。
なぜなら、たった1%の手数料の違いが、長期で見ると驚くほどの差を生むからです。
例えば、1,000万円を7%の利回りで30年間運用した場合、7,612万円になります。しかし、もし運用コストとして毎年1%が差し引かれ、実質的な利回りが6%になったとしたらどうでしょう?同じ条件で30年後には5,743万円にしかなりません。
この差額はなんと1,869万円にもなり、当初の資産から見れば25%ものマイナスに相当します!つまり、たった1%のコストの違いが、資産形成にこれほどまでの大きなインパクトを与えるのです。
根拠なく手数料の高い商品を選ぶのではなく、eMAXIS Slim全世界株式やeMAXIS Slim S&P500のように0.1%程度の低コストで運用できるインデックスファンドを選ぶのが合理的です。
▼最も効果的な「年収アップ」戦略
「3万ドル」にこだわるもう一つの重要な要素は、**「年収を上げる」**ことです。
セティ氏は、今の年収を当たり前だと思わず、年収を上げる努力をすることが、生涯でより高いリターンを得る上で非常に重要だと指摘します。
例えば、パートで年収50万円の人が、どうすれば150万円に増やせるかを真剣に考えるべきだと提案します。できない理由を探すのではなく、**「どうすれば状況を変えられるか」**に焦点を当てるのです。
年収が100万円増えれば、税金などを差し引いても手取りで年間80~90万円増える計算になります。これが5年続けば、400~500万円ものまとまった資金を投資に回せることになり、その効果は絶大です。
具体的な年収アップの方法としては、副業で月3万円を稼ぐ、より良い条件の職場へ転職する、あるいは(海外文化では一般的ですが)上司と交渉して収入アップを図るといった選択肢が考えられます。



細かい節約よりも、収入自体を数十万円上げる方が、数年間継続することで圧倒的に大きな効果が得られることを意識しましょう。
ポイント3:仕組み化して考えない投資をする「感情を排除した積立投資」
人間は感情で動く生き物であり、株価の上下に一喜一憂し、振り回されてしまうのが常です。頭では分かっていても、感情を完全に排除することは難しいものです。特に、まとまった金額を投資する際に「ビビる」という感情は、人間にとって最大の敵となり得ます。
だからこそ、セティ氏は**「何も考えずにできる仕組み化された投資」、すなわち積立投資**を推奨しています。
積立投資は、毎月決まった金額を自動的に投資に回すことで、市場の変動に感情を左右されることなく、淡々と投資を継続できます。
例えば、毎月5万円を20年間積立投資すれば、元本だけでも1,200万円になります。年利5%で運用できれば、最終的に2,000万円近くになることも夢ではありません。
「もう60歳だから20年も投資できない」という方でも、例えば毎月30万円を5年間投資すれば、元本1,800万円、5年後には2,000万円程度の資産を築くことも可能です。
結局のところ、投資は**「早く」「多くの金額」を市場に投入できた人が勝つゲーム**なのです。感情的なブレーキをかけず、自動的にお金が市場に流れる仕組みを作ることが、資産を増やす上で非常に重要になります。
なぜ多くの人が成功できないのか?共通の落とし穴



セティ氏の教えはシンプルですが、それでも多くの人がうまく実践できないのはなぜでしょうか?よくある失敗パターンも押さえておきましょう。
1. 中途半端な実践:本当にちゃんとやっていますか?
◦ 「これはできるけど、これは無理」と、やるべきことの一部を意図的に無視していませんか? 成功への道は、すべてのステップを真剣に実行することから始まります。
2. 入金力と時間の不足:焦りは禁物!
◦ 毎月5,000円の積立では、資産形成のスピードはどうしても緩やかになります。また、投資を始めてまだ数ヶ月で成果を求めすぎると、本来必要な「時間」という最大の味方を活かせません。入金力を高め、長期的な視点を持つことが不可欠です。
3. 謎の自己流やFPのアドバイス:情報源を吟味しよう!
◦ 「自分は年だから高配当株がいい」「為替の影響があるから日本株がいい」といった根拠のない自己流の判断。あるいは、「NISAよりも保険の方が増える」といった怪しいFPのアドバイスに耳を傾けていませんか? 合理的でシンプルな投資戦略から逸れないことが大切です。
まとめ:知識の量よりも「行動の量」が成功を呼ぶ
投資で成功するために最も大切なことは、知識を詰め込むことよりも「行動を起こす」ことです。
セミナーに参加したり、本を読んだり、YouTubeをたくさん見たりするだけでは、資産は増えません。うまくいっている人は、たとえ完璧に理解していなくても、まず行動し、つまづいたら調べて修正するというサイクルを繰り返しています。



今日からぜひ、この3つのポイントをあなたの資産形成に活かしてみてください。簡単なことから一つずつ実践する「行動」が、あなたの未来を大きく変えるはずです。
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