【S&P500超え!?】ゴールド投資が再注目!注目される理由、メリット・デメリット、NISA活用法を徹底解説

最近、株式市場、特に米国株は不安定な動きが続いており、S&P500やオルカンも年始から見ると上がったり下がったりしています。新NISAで投資を始めた方の中には、円高の影響もあり、思ったよりも資産が増えないと感じて不安を抱いている方もいらっしゃるかもしれません。

そんな中、近年、驚異的なパフォーマンスを見せている資産があります。それがゴールドです。

https://go.sbisec.co.jp/media/report/fund_info_plus/fund_info_plus_250217.html

直近1年間の価格で見ると、ゴールドのリターンはS&P500を大きく上回っています。安全資産というイメージが強いゴールドが、これほど高いリターンを記録しているのです。SNSやニュースでも「ゴールドの時代が来る」「金が最高値を更新」といった声が聞かれ、ゴールド関連銘柄は新NISAでも購入可能です。

このゴールド価格上昇の背景には、いくつかの要因が考えられます

目次

なぜ今、ゴールドがこれほど注目されているのか?

1.インフレへの備えとしての需要

 世界的に物価上昇、つまりインフレが続いています。インフレ時にはお金(法定通貨)の価値が実質的に目減りしますが、実物資産であるゴールドの価値は相対的に高まる傾向があります。通貨は国や中央銀行が供給量を増やせますが、ゴールドは地球上の存在量が限られており、人工的に作り出すことはできません。この希少性が、インフレ下でゴールドの価値を高める要因となっています。実際、米国のマネーサプライ(通貨供給量)が増加する局面でゴールド価格が上昇する傾向が見られます。まさに「お金の価値が下がれば、金の価値が上がる」ということです。

2.地政学リスクの高まり

  ウクライナ情勢や中東問題など、世界各地で紛争や対立が続いています。このような有事の際には、特定の国に依存しない「無国籍通貨」とも呼ばれるゴールドの安全性が再認識され、需要が高まる傾向にあります。
 特に、ロシアのウクライナ侵攻後、ロシアや新興国の中央銀行が外貨準備としてドル以外の選択肢、つまりゴールドの購入を増やしている動きが顕著です。
 日経新聞の記事では、2022年の中央銀行による金購入量が55年ぶりの高水準だったと報じられました。

中国も、米ドルへの依存度を下げ、人民元の価値を安定させる裏付けとしてゴールドを積極的に買い集めているという見方があります。これらの世界の中央銀行による買い付けは、今後も金価格を下支えし、中長期的に上昇させる要因の一つとなる可能性があります。

3.アメリカの金融政策への不透明感

 アメリカ経済の不透明感が増す状況では、「とりあえず安全なゴールドを持っておこう」という投資家の心理が働き、ゴールドへの資金流入が増加する傾向があります。

これらの要因が複合的に影響し、近年のゴールド価格上昇につながっていると考えられています。

個人投資家がゴールドに投資するメリット

ゴールド投資には、個人投資家にとって魅力的なメリットがあります。

1.価値が長期的に保存されやすい

  ゴールドはインフレに強く、希少性があるため、長期的に価値が保存されやすい資産です。法定通貨が発行元の信用で成り立つのに対し、ゴールドは「リアルマネー」とも呼ばれ、そのもの自体に価値があると考えられています。歴史的に見ても、通貨の価値が大きく変動する中で、ゴールドの価値は比較的安定しており、物の値段がインフレで上がってもゴールドの価値も同様に上がる傾向があるため、実質的な購買力があまり変わらないと言われます。価値がゼロになるリスクが極めて低く、実質的な価値を保ちやすいのが大きなメリットです。

2.分散投資の効果

ゴールドは、株式や債券といった他の主要な資産とは異なる値動きをする傾向があります。特に株価が大きく下落するような局面では、株式とは逆の動き(逆相関)を示すこともあり、ポートフォリオ全体の値動きをマイルドにしてくれる「クッション」のような役割が期待できます。リーマンショックやコロナショックのデータを見ると、S&P500が大きく落ち込む中でゴールド価格は比較的安定したり、上昇したりしています。

有名な投資家であるレイダリオ氏が提唱する「オールシーズンズポートフォリオ」にもゴールドが組み込まれており、この戦略は長期的に安定したリターンを上げてきた実績があります。ポートフォリオの一部にゴールドを加えることで、市場が荒れた時の下落幅を抑え、安定的な資産運用ができる可能性が高まります。

3.有事の金としての安心感

 ゴールドは、戦争や金融危機、自然災害など、世界的な混乱が起きた際に「最後の砦」として歴史的に信頼されてきた資産です。その価値が特定の国や企業に左右されないと考えられているためです3。ゴールドを一種の保険として捉えることもでき、国家破綻、銀行倒産、ハイパーインフレといった極めて低い確率でもし起こってしまった場合の緊急事態に備えるという意味合いがあります。円が価値を失うような状況でも、現物のゴールドであれば世界中で価値が認められる可能性が高いという考え方です。まさに究極の富の避難場所と言えます。

ゴールド投資の注意点

ゴールドに投資してれば安心じゃん!!

ゴールド投資にはメリットだけでなく、しっかりと理解しておくべき注意点もあります。これを知らずに投資するのは大変危険です!


1.金利や配当を生まない

ゴールドは、それ自体が収益を生み出す資産ではありません。銀行預金の利息や株式の配当金のようなインカムゲインは一切得られません。ゴールド投資は、あくまで価格上昇による利益(キャピタルゲイン)を狙う投資となります。世界的な投資家ウォーレン・バフェット氏も「ゴールドは何も生み出さないから投資しない」と述べているほどです。

2.ボラティリティが高い

安全資産というイメージとは裏腹に、ゴールドの価格変動(ボラティリティ)は実はかなり大きいです。ハイリスク資産と言われる株式以上に激しい値動きをすることもあり、たった1年で30%上昇することもあれば、逆に30%下落することもあります。短期的な値動きだけで見れば、決してめちゃくちゃ安全とは言えません。安易に「ゴールドだから安心だ」と考えるのは危険であり、短期的には大きな損失を被る可能性も十分にあることを頭に入れておく必要があります。

3.為替リスク

特に円建てで投資する場合に重要です。日本の投資家がゴールドに投資する場合、多くはドルの金価格に連動する商品に投資するため、ゴールド自体の価格変動に加えて、ドル円の為替変動の影響を考慮する必要があります。円高が進むと、たとえドルのゴールド価格が上昇していても、円換算した時のリターンが相殺されたりマイナスになったりする可能性があります。逆に円安が進むとリターンを押し上げる要因となります。この為替リスクをどう捉え、管理するかがゴールド投資の重要なポイントです。

4.現物保有の場合の管理の手間とコスト

ゴールド投資の方法には、投資信託/ETF、純金積立、現物購入などがあります。金塊や金貨などを現物で保有する場合、盗難リスクを避けるために自宅で厳重に保管するか、銀行の貸金庫などを利用する必要があります。そのため、保管コストがかかり、投資信託やETFに比べてコスパが悪くなる場合があります。

5.現物売却時の税金

現物の金を売却して利益が出た場合、その利益は給与所得など他の所得と合算して税金が計算される総合課税の対象となります。所得金額によっては、投資信託などの売却益にかかる税金に比べて税負担が重くなる可能性があります。

どんな人にゴールド投資はおすすめ?

これらのメリットと注意点を踏まえると、ゴールド投資は以下のような方におすすめできます4…。

1.株式100%のポートフォリオに不安を感じている方

市場が大きく変動しやすい時、特に下落局面での資産の目減りを抑え、精神的な安定を保ちながら長期投資を続けたい方にとって、株式と逆の動きをしやすいゴールドは、ポートフォリオをマイルドにする分散投資先として有力な選択肢となります。

2.老後に向けて資産を「守りたい」方

今後加速するかもしれないインフレによるお金の価値低下や、将来起こるかもしれない不測の事態に備え、資産の一部を普遍的な価値を持つ実物資産であるゴールドで保有することは、リスクヘッジの一つになります。積極的に増やすだけでなく、「守る」視点も大切にしたい方に向いています

3.ゴールドそのものに魅力を感じる方

金の持つ歴史的な背景や世界共通の価値、今後の世界情勢などを踏まえ、「この資産なら長く付き合っていける」と思える方です。投資対象への愛着や理解は、価格が下落した時でも慌てずに持ち続けるための「握力」につながる重要な要素です。

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ゴールド投資をポートフォリオにどう組み入れる?

ゴールドは、あくまで分散投資の一部として考えるべきです。ゴールドが魅力的でも、ボラティリティが高い資産であることに変わりはなく、資産の大部分をゴールドに集中させるのはリスク管理の観点から危険だからです。

 基本的には、レイダリオ氏のオールシーズンズポートフォリオのように、株式投資などを中心としたポートフォリオを「補完する」役割として組み入れるのがベターです。資産全体の一部、例えば5%から15%程度を目安に、ご自身の投資戦略やリスク許容度に合わせて組み入れるのが良いでしょう。

 また、NISAでのゴールド投資については、現在S&P500を上回るパフォーマンスを見せていますが、長期視点では一般的に株式の方がリターンが高くなる傾向があります。非課税運用益の効果を最大化するという観点からは、利益率の高い株式にNISA枠を使うのが有効と考えられます。
 ただし、非課税枠をすぐに埋める予定がない方であれば、NISA口座でゴールドなどの安全資産に投資するのも選択肢の一つです。この点は、ご自身の投資戦略に合わせて判断することが重要です。

まとめ

 ゴールドは、「守りの資産」というイメージが強い一方で、インフレ懸念や地政学リスクの高まりなどにより近年はS&P500を上回るパフォーマンスを見せており、「守り」だけでなく「攻め」の魅力も兼ね備えた資産として注目が集まっています
 一方で、金利や配当がないボラティリティが高い為替リスクがあるといった注意点があります。また、現物保有には管理コストや税金の問題もあります。
 これらの注意点を理解した上で、株式100%のリスクが怖いと感じる方や、より安定的な資産形成を目指したい方にとっては、資産全体の一部にゴールドを組み入れることを検討するのは有効な戦略と言えるでしょう。

投資戦略は人それぞれ異なるため、ご自身の状況に合わせて、ゴールド投資をポートフォリオにどう位置づけるかじっくり考えることが大切です。

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