
育児休業(育休)中、「収入が減って不安」「少しでも働いて家計を助けたい」そう考えている方は少なくないのではないでしょうか?
特に、近年では男性の育休取得率も増加傾向にあり、令和5年度には過去最高の30.1%を記録しました。しかし、「育休中に働くと給付金が減るの?」「そもそも働いてもいいの?」といった疑問を持つ方も多いでしょう。
このブログ記事では、育児休業中の働き方に関する国のルールと、育児休業給付金(以下、育休給付金)への影響について詳しく解説します。知らずに損をしないために、ぜひ最後までお読みください。
育休中の大原則:育児に専念!ただし例外も
まず大前提として、育児休業中は「育児に専念すること」が原則です。育児介護休業法は、育児を行うために休業期間中の労働義務を消滅させることを目的としています。この期間は働かなくても解雇されることはありません。
しかし、世の中には原則があれば例外もあるもの。育児に支障が出ない範囲で、かつ必要最低限であれば、働くことが認められています。



その「必要最低限のライン」とは、以下のいずれかの範囲内です
• 月10日以下
• 月80時間以下
この範囲内であれば、育児休業を継続していると見なされ、給付金が支給されます。この範囲を超えてしまうと、給付金は支給されなくなるので注意が必要です。
育休中に「会社で働く」場合の落とし穴と注意点



「月に10日以下、80時間以下なら、育休中の会社での勤務も問題ないのでは?」と感じるかもしれません。しかし、ここに大きな落とし穴があります。
たとえ月10日以下、80時間以下の勤務であっても、「毎週決まった曜日に働く」「事前に勤務時間が決められている」といった働き方はNGとなる可能性が高いです。国は「毎週働く曜日が決まっているのは、仕事をする気満々ですよね?これでは育休とは言えません」という見解を示しています。
会社での勤務が認められるのは、あくまでも**「一時的」「臨時的」な働き方**に限られます。例えば、「会社で大きなトラブルが発生し、急遽リモートワークで2日間だけ対応する」といったケースです。この場合も、会社と労働者の合意が必要となります。



さらに、育休中にご自身の会社で働く場合、給付金に影響する具体的な金額のルールも存在します:
• 育休給付金と育休中の給与の合計が、賃金月額の8割を超えると、超えた分の給付金が減らされます。
具体例として、賃金月額の8割が20万円、育休給付金が16万7,500円の場合、育休中に会社から受け取る給与が**3万2,500円(20万円 – 16万7,500円)**を超えると、給付金が減額されてしまいます。
このように、育休中にご自身の会社で働く場合、「日数や時間の制限」「定期的な勤務は不可」「稼げる金額の上限」といった複数の厳しいハードルがあるため、給付金がストップしたり減額されたりするリスクが高いと言えます。
育休中に「副業で稼ぐ」賢い選択肢!給付金への影響は?



では、育休中に「給付金だけでは心もとない」「スキルアップのために何かしたい」と考えた場合、どうすれば良いのでしょうか?そこで断然おすすめなのが**「副業」**です。
驚くべきことに、育休中の副業収入は、育休給付金の停止や減額に一切影響しません! 給付金に影響が出るのは、育児休業を取得している「ご自身の会社」で稼いだ収入のみなのです。



副業には、以下のような大きなメリットがあります:
• 稼げる金額の上限がない:
どれだけ稼いでも、育休給付金が減額されることはありません。
• 働き方の融通が利きやすい:
月10日以下または80時間以下の労働時間制限はありますが、パートやアルバイトと異なり、フリーランス的な副業であれば、育児の合間に自分のペースで時間を調整しやすいでしょう。
これらの点から、副業が軌道に乗っている人であれば、育休中の収入減少に対する不安を大幅に軽減できる可能性があります。
もちろん、副業をする際も「育児に支障が出ない無理のない範囲で」という条件は必須です。育児が最優先であることは忘れないでください。
まとめ:育児に専念しつつ、賢く収入を補填する方法
育児休業中の働き方について、重要なポイントをまとめます:
• 原則は育児に専念すること。
• 例外として、育児に支障のない範囲で一時的・臨時的に働くことは可能。
• ご自身の会社で働く場合:
◦ 給付金と給与の合計が賃金月額の8割を超えると給付金が減額される。
◦ 月10日以下または月80時間以下の制限がある。
◦ 定期的な勤務はNG。これらのハードルはかなり高い。
• 副業で稼ぐ場合:
◦ 副業収入は育休給付金の停止・減額に影響しない。
◦ 稼げる金額の上限がない。
◦ ただし、月10日以下または月80時間以下の労働時間制限は適用される。
◦ 育児に支障が出ない範囲で行うことが大前提。
育児休業は、赤ちゃんとの貴重な時間を過ごす大切な期間です。給付金の範囲で生活できるのであれば、それに越したことはありません。しかし、もし「どうしても収入を補填したい」「仕事が気分転換になる」という場合は、今回の情報が「知らずに損をする」ことを避けるためのお金の知恵として役立つでしょう。



ご自身の状況に合わせて、バランスの取れた働き方を見つけることが大切です。


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