
「公務員や大企業の会社員は退職金が多いから、iDeCoはやらなくてもいい」「出口で税金を取られるから損」そんなイメージをお持ちではないでしょうか?
実は、これは大きな誤解かもしれません。本日ご紹介する内容を知れば、退職金が2000万円以上ある公務員や大企業の会社員でも、iDeCoを月に1万円、または2万円積立て、NISAと組み合わせることで、数百万単位で税金をお得にできる可能性があることに驚くはずです。
この記事では、公務員のAさんのケースを例に、iDeCoとNISAを両方活用することの**「破壊力」**を具体的な数字でシミュレーションしながら徹底解説します。今まで「NISAだけでいいか」と印象で決めていた方は、ぜひ最後までお読みください。
公務員・大企業社員こそiDeCo?所得控除の絶大なパワーを実感!
「退職金がたっぷりあるからiDeCoは不要」と考えていたサブ郎さんも、ある同僚の一言がきっかけでiDeCoのシミュレーションに挑戦します。公務員や大企業社員のような年収が高い方にとって、iDeCoの**「所得控除」のメリットは計り知れません**。



Aさんのケース(35歳から65歳までの30年間、平均年収800万円と仮定)で見ていきましょう。
• iDeCoに月1万円を投資した場合:
◦ 30年間でなんと108万円以上もの節税効果が得られます。これはNISAにはないiDeCo最大のメリットです。
◦ もしこの毎年節税できた3万6000円(月3000円)をコツコツとNISAで投資し、年率5%で運用できたと仮定すると、30年後には約244万円にもなります。iDeCoに月1万円投資するだけで、合計で244万円もお得になる計算です。
• iDeCoに月2万円を投資した場合(2024年12月より公務員の掛金上限は2万円に引き上げ):
◦ 30年間で217万円以上の節税効果!200万円を超える金額は非常に大きいと言えるでしょう。
◦ 毎年節税できる7万3000円(月約6000円)をNISAで投資し、年率5%で運用できたと仮定すると、30年後には約489万円にもなります。月2万円のiDeCo投資で、トータルで約489万円もお得になる計算です。
このように、iDeCoの掛金が全額所得控除の対象となることで、現役時代に大きな節税効果を享受できるのです。
退職金2000万円超えでも大丈夫!iDeCoと退職金の賢い受け取り方
「出口で税金がかかるから損」という印象が強いiDeCoですが、その真価は**「退職所得控除」**という強力な税制優遇にあります。
iDeCoの受け取り方には、一時金で受け取る、年金形式で受け取る、一時金と年金を併用するという3つのパターンがあります。公務員や大企業社員で年金が多い方の場合、年金形式で受け取ると他の年金と所得が合算されてしまい(総合課税)、税率が上がったり、社会保険料が増えたりするデメリットが大きいとされています。そのため、一時金での受け取りを選ぶ方がかなり多いのが現状です。



iDeCoを一時金で受け取る際に使える退職所得控除は非常に強力です。
• 勤続年数20年以下:40万円 × 勤続年数
• 勤続年数20年超:70万円 × (勤続年数 – 20年) + 800万円 控除額を引いた上で、さらにその金額が1/2にできるというお得な仕組みです。
iDeCoと退職金の受け取りタイミングが超重要!
かつてはiDeCoを先に受け取って5年間空けることで、退職金とiDeCoで別々に全額退職所得控除が使えましたが、2026年以降は「10年ルール」に変わり、この方法は事実上困難になります。
そこで、サブ郎さんのように勤務年数が長く、退職金とiDeCoの金額がどちらも高額になる場合に、「iDeCoと退職金を65歳で同時に受け取る」戦略が、現行のルールでは最も節税効果が高いとされています。
【シミュレーション結果まとめ】月1万円/2万円iDeCoでこんなに差が!



具体的なシミュレーションで、**「iDeCoと退職金を65歳で同時受け取り」**した場合の「破壊力」を見ていきましょう。
<シミュレーション条件>
• Aさん:公務員、35歳から65歳までの30年間積立て、平均年収800万円と仮定。
• 運用利回り:年率5%。
• 退職金:65歳時点で2000万円。
• 退職所得控除:勤続43年で計算し、2410万円が利用可能。
シナリオ1:NISAのみで運用していた場合(iDeCoなし)
• 退職金2000万円に対し、退職所得控除2410万円が丸ごと使えるため、税金はかかりません。
シナリオ2:iDeCoに月1万円投資し、65歳で退職金と同時受け取りの場合
• iDeCo元本360万円+運用益815万円、退職金2000万円の合計2815万円。
• この合計額に対し、退職所得控除2410万円を適用後、さらに1/2されるため、出口で支払う税金は約30.45万円。
• しかし、現役時代の所得控除で108万円節税でき、その節税額をNISAで運用した場合の増加分244万円を加味すると、税金を支払った後でもトータルで約214万円もお得になります。
シナリオ3:iDeCoに月2万円投資し、65歳で退職金と同時受け取りの場合
• iDeCo元本720万円+運用益1630万円、退職金2000万円の合計3630万円。
• この合計額に対し、退職所得控除2410万円を適用後、さらに1/2されるため、出口で支払う税金は約140.25万円。
• しかし、現役時代の所得控除で217万円節税でき、その節税額をNISAで運用した場合の増加分489万円を加味すると、税金を支払った後でもトータルで約349万円もお得になります。
このシミュレーション結果から、退職金が多額であっても、iDeCoを併用することで、最終的な手取り額を大きく増やすことができることが分かります。特に、退職金に多くの退職所得控除を充てられることが、この戦略の肝となります。
公務員・大企業社員のためのiDeCo戦略と注意点



Aさんのシミュレーションから、以下の重要な戦略と注意点が導き出されました。
・戦略
• イメージで決めつけず、必ずシミュレーションを行う:ご自身の年齢、勤続年数、退職金の見込み額、会社の状況変化(例:公務員の定年延長)を考慮して、具体的なシミュレーションを行うことが最も重要です。
• 退職金とiDeCoは65歳で同時受け取りを検討する:勤務年数が長く、退職金とiDeCoの金額が高額になる場合、現行制度ではこの方法が最も節税効果が高いとされています。勤続年数が長くなるほど退職所得控除が有利になるためです。
• iDeCoで節税できた分はNISAで投資する:iDeCoで得られた年間数万円の節税額を、NISAでコツコツと投資に回すことで、複利の力でさらに大きなリターンを得ることができます。
・注意点
• 退職所得控除のルール変更の可能性:現在、勤続20年以降の退職所得控除が年間70万円に増えるという仕組みは非常に有利ですが、今後変更の可能性が議論されています。制度の動向は常にチェックしておきましょう。
• 受け取り方の柔軟な検討:iDeCoは、運用状況に応じて途中で商品のスイッチングをしたり、掛金額を柔軟に変更したりすることも可能です。
まとめ:iDeCoとNISAの「両刀使い」こそが最強!
これまでのシミュレーションで、退職金がある公務員や大企業社員でも、iDeCoとNISAを組み合わせる「両刀使い」が「最強の布陣」であることがお分かりいただけたのではないでしょうか。
iDeCoは「難しそう」「解約が怖い」といった印象を持たれがちですが、実際に計算してみると大きなメリットがあることが分かります。



将来のインフレに備えるためにも、まずは月1万円からでもiDeCoを検討し、NISAと併用することをおすすめします。
iDeCoは今後も掛金の上限増額や70歳までの拠出など、ルールの進化が続く途上です。最新情報にも注目しつつ、ご自身の資産形成にぜひiDeCoとNISAを活用してください。
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