ふるさと納税、気にはなっている。
でも「上限額」の話になると、急にむずかしくなる。
しかも夜勤があると、月ごとの給与明細の金額がバラバラです。
「年収って、結局いくらで計算すればいいの?」
そこで手が止まっていませんか。

私も夜勤のある仕事をしているので、この「よくわからなさ」はよく分かります。
そこで今回は、総務省や国税庁などの公式情報を調べて、次の4つを整理しました。
- ふるさと納税でいう「年収」は、何の金額を指すのか
- 年収別の上限額の目安表
- 夜勤が多い年・少ない年で、上限額はどれくらいぶれるのか
- 年末に向けた、無理のない寄附の進め方
読み終わるころには、自分の上限額の目安と、年内にやることが決まっているはずです。
私は税の専門家ではなく、一人の医療職として調べた内容をまとめています。最終的な金額は、各サイトのシミュレーターや、お住まいの自治体・税務署で確認してください。
先に結論:3行でわかるポイント
- 「年収」は、手取りではなく額面です。源泉徴収票の「支払金額」が目安になります。
- 年収が100万円ぶれると、上限額は約1.6〜1.9万円ぶれます(独身・共働きの目安)。
- だから、少なめの金額で先に寄附して、年末に残りを足す「2段階」が安心です。
①「年収」って、手取り?額面?



結論から言うと、額面です。
夜勤手当、残業代、賞与も含めた、1年間の合計金額です。
目安になるのは、年末〜年明けに届く源泉徴収票の「支払金額」です。
ただし、通勤手当の非課税の部分などは含まれません。
手取り(銀行に振り込まれる金額)で計算すると、実際より低く見積もってしまいます。
また、基準になるのは「寄附をした年の1月〜12月」の収入です。
国税庁の案内でも、控除の対象は「その年の1月1日から12月31日までに支出した寄附金」とされています。
つまり、去年の源泉徴収票は、あくまで参考です。
② 上限額は「お財布の枠」のようなもの
上限額とは、自己負担が実質2,000円で済む、寄附の枠のことです。
寄附した金額から2,000円を引いた分が、所得税と住民税から控除されます(国税庁)。
ただし、枠を超えて寄附すると、超えた分は控除されず、そのまま自己負担になります。
総務省の説明では、控除の特例分が「住民税所得割額の2割」を超えない範囲が、全額控除の目安とされています。



むずかしく聞こえますが、イメージはシンプルです。
- 収入が多いほど、枠は大きい
- 扶養する家族や、ほかの控除が多いほど、枠は小さい
この2つで決まります。
③ 年収別の上限額の目安表



まずは、目安を見てみましょう。
| 年収(額面) | 独身・共働き | 夫婦のみ | 夫婦+子1人(高校生) |
|---|---|---|---|
| 300万円 | 約2.8万円 | 約1.9万円 | 約1.1万円 |
| 400万円 | 約4.2万円 | 約3.3万円 | 約2.5万円 |
| 500万円 | 約6.1万円 | 約4.9万円 | 約4.0万円 |
| 600万円 | 約7.7万円 | 約6.9万円 | 約6.0万円 |
| 700万円 | 約10.8万円 | 約8.6万円 | 約7.8万円 |
出典:ふるさとチョイス「控除上限額かんたんシミュレーション」をもとに作成
表を見るときの注意点です。
- 「共働き」は、配偶者の給与収入が201万円を超える場合です
- 「子1人」は、16歳以上19歳未満の子を想定しています
- 住宅ローン控除や医療費控除などがあると、上限額は下がることがあります
あくまで目安なので、最後は必ず、各サイトのシミュレーターで確認してください。
④ 夜勤の回数で、上限額はどれくらいぶれる?



ここからが、医療職ならではの話です
夜勤の回数は、年によって変わります。
先ほどの表(独身・共働き)で、年収が500万円の人を基準に見てみましょう。


| 夜勤の多さ | 年収のイメージ | 上限額の目安 | 基準との差 |
|---|---|---|---|
| 少なめの年 | 400万円 | 約4.2万円 | 約1.9万円少ない |
| ふつうの年 | 500万円 | 約6.1万円 | - |
| 多めの年 | 600万円 | 約7.7万円 | 約1.6万円多い |
年収がぶれる幅が100万円あっても、上限額のぶれは2万円弱です。
もう少し細かく見てみます。
仮に、夜勤の手当が月3万円増えたとします。
年にすると36万円です。
表をもとに簡易計算すると、上限額はおよそ6,000円前後増える計算です。
つまり、夜勤が1回増えたかどうかで、上限額が大きく変わるわけではありません。
ここで大事なのは、次の考え方です。
上限額は「正確に当てる」ものではなく、「ぶれ幅を見込んで、安全側に寄せる」もの。
ぶれ幅が数千円〜2万円程度とわかっていれば、年末に向けて調整できます。
⑤ 年末に向けた「2段階寄附」の進め方
年収が確定するのは、12月の給与と賞与が出たあとです。
でも、寄附の期限は12月31日です。



そこで、考え方の一例として「2段階」で進める方法があります。
1段階目(10〜11月):少なめに寄附する
- 給与明細の「年間累計(支給額の合計)」を確認する
- 残りの月の見込みを足して、今年の年収を見積もる
- 目安表で、見込みより一つ低い年収の行を見て、その金額までを寄附する
2段階目(12月):残りの枠を足す
- 12月の給与や賞与の見込みが固まったら、年収を見積もり直す
- 目安表やシミュレーターで、上限額を再確認する
- 1段階目で使った金額との差額を、年内の決済日までに寄附する



たとえば、こんなイメージです。
- 10月分までの累計+11・12月の見込みで、今年の年収は約490万円と見積もった(独身・共働きの場合)
- 表の「400万円」の行は約4.2万円なので、1段階目は4.2万円まで寄附する
- 490万円の上限額は、表からの簡易計算で約5.9万円
- 差額の約1.7万円を、12月に足すかどうか考える
(簡易計算のため、実際の金額とは異なります。必ずシミュレーターで確認してください)
この進め方なら、「上限を超えてしまったらどうしよう」という不安を減らせます。
⑥ つまずきやすいポイント3つ
1. 手取りで計算してしまう
額面で計算します。手取りで見積もると、枠を小さく見てしまいます。
2. 収入が減る年に、前年の金額で寄附してしまう
休職や産休・育休、転職などで収入が減る年は、上限額も下がります。
産休・育休中の社会保険料については、こちらの記事でまとめています。
3. ワンストップ特例の条件を見落とす
ワンストップ特例は、寄附先が5つの自治体までで、確定申告をしない人が使える制度です。
医療費控除などで確定申告をする場合は、ワンストップ特例は無効になります(国税庁)。
そのときは、確定申告で寄附金控除を申告します。期限は、寄附をした翌年の3月15日までです(総務省)。
申請書の期限は自治体ごとに決まっているので、寄附するときの案内を確認してください。
⑦ 返礼品の選び方:2025年10月から変わったこと



総務省の見直しで、2025年10月1日から、ポイントを付与するサイトを通じた寄附の募集が禁止されました。
以前は「どのサイトがポイント還元が高いか」で選ぶ人も多かったと思います。
いまは、サイトの違いよりも、**「上限額の中で、何を選ぶか」**が大切になっています。
返礼品の比較や、サイトごとの特徴は、ふるさと納税サイトの比較記事にまとめています。
今年の枠を、先に確認しておきませんか?
ここまで読んで、「自分の上限額、どれくらいなんだろう」と気になった方へ。
まずは、無料のシミュレーターで、今年の目安を出してみるのがおすすめです。
無料で使えるシミュレーターが多く、年収などを入れるだけなので、1〜2分ほどで終わります。
▶ ふるさと納税サイトで、上限額のシミュレーションをしてみる
目安がわかったら、次は「何を選ぶか」です。
人気の返礼品は、お届けまでに時間がかかることもあります。
また、12月は申し込みが集中しやすく、ゆっくり選びにくい時期です。
もちろん、急ぐ必要はありません。



ただ、10〜11月のうちに、1段階目の分だけでも選んでおくと、年末に慌てずに済みます。
(広告リンクを含みます)
よくある質問
Q. 上限額は、去年の年収と今年の年収、どちらで考えればいい?
基本は、今年(寄附する年)の1月〜12月の収入の見込みです。
去年の源泉徴収票は、見積もりの参考として使うのがおすすめです。
Q. 上限額を超えて寄附してしまったら?
超えた分は控除されず、自己負担になります。
ただし、寄附そのものが無効になるわけではなく、返礼品も受け取れます。
Q. 住宅ローン控除や医療費控除があると、どうなる?
上限額が下がることがあります。
目安表では、そこまで反映されていないので、各サイトの「詳細シミュレーション」で、控除の項目も入力して確認してください。
まとめ
- 「年収」は額面。基準は、寄附をした年の1〜12月の収入です
- 夜勤で年収が100万円ぶれても、上限額のぶれは約2万円弱(独身・共働きの目安)
- 年末までに年収が確定しないときは、少なめに先に寄附して、12月に残りを足す
- ワンストップ特例は、5自治体まで。確定申告をする人は使えません



夜勤のある仕事は、収入がぶれやすい分、「ぶれ幅を見込む」考え方が合っていると思います。
無理のない範囲で、今年の枠を、うまく使ってみてください。
より詳しい家計やお金の話は、【現役CE監修】医療従事者のためのお金の教科書にまとめています。
夜勤手当の仕組みが気になる方は、夜勤手当の記事もあわせてどうぞ。





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