年末が近づくと、お金の手続きが、一気に増えます。
年末調整の書類、ふるさと納税、NISA、iDeCo、医療費の集計……。
夜勤や日勤の合間にこなそうとすると、つい後回しになりがちですよね。
「結局、何をいつまでにやればいいの?」
そんなふうに、頭の中がごちゃごちゃになっていませんか。
そこで今回は、国税庁・金融庁などの公式情報を調べて、**年末までの手続き5つを、10月〜1月の「時期別」**に整理しました。
読み終わるころには、今月やることと、年内に必ず済ませることが、はっきり分かるはずです。
私は税や投資の専門家ではなく、一人の医療職として調べた内容をまとめています。個別の事情がある場合は、勤務先の担当者や税務署、証券会社などにご確認ください。
先に結論:この記事のポイント
- 手続きは、**「会社に出すもの」と「自分で動くもの」**の2種類に分かれます。
- 年末調整では、医療費控除とふるさと納税(寄附金控除)は扱えません。 別に動く必要があります。
- 迷ったら、「今月やること」から1つだけ始めればOKです。
① 年末までの手続き5つ:一覧表
| 手続き | 誰に出す? | いつまで | 医療職のポイント |
|---|---|---|---|
| ① 年末調整の書類 | 勤務先 | 会社が指定する日まで | 保険・iDeCoの控除証明書を、なくさないように保管 |
| ② ふるさと納税 | 寄附先の自治体(ワンストップ)、または税務署(確定申告) | 寄附は12月31日まで | 夜勤で年収がぶれるので、上限額は2段階で見積もる |
| ③ 新NISAの年間枠 | 証券会社 | 年内に受渡しが完了するまで | 使い切らなくてOK。無理のない範囲で |
| ④ iDeCoの掛金控除 | 勤務先(年末調整)または税務署 | 年末調整の書類の締切まで | 掛金は全額が所得控除の対象 |
| ⑤ 医療費の集計 | 税務署(確定申告) | 翌年3月15日まで(集計は年内にスタート) | 家族の分も合計できる |

それぞれ、簡単に見ていきましょう。
② 年末調整で「できること」と「できないこと」
年末調整は、勤務先が、1年間の給与にかかる所得税を精算してくれる手続きです。
ただし、会社に出す書類は、自分で記入して提出する必要があります。



国税庁の案内では、主な申告書は次のとおりです。
- 扶養控除等申告書
- 基礎控除申告書
- 配偶者控除等申告書
- 保険料控除申告書(生命保険料、地震保険料、社会保険料、小規模企業共済等掛金など)
- 住宅借入金等特別控除申告書(2年目以降の住宅ローン控除)



この一覧に入っていないものが、年末調整ではできないものです。
- 医療費控除
- ふるさと納税(寄附金控除)
この2つは、確定申告(またはワンストップ特例)で手続きします。
詳しくは、こちらの記事でまとめています。
令和8年分(今年)の年末調整で変わったこと



国税庁によると、令和8年分では、次のような変更があります。
- 基礎控除の引上げ
- 給与所得控除の最低保障額の引上げ
- 23歳未満の扶養親族がいる場合の、生命保険料控除の特例の創設
書類の書き方が変わる部分は、勤務先の案内に従えば大丈夫です。
③ 時期別チェックリスト:10月〜1月



ここからが、この記事のメインです。
10月(今)
- 年末調整の書類が配られているか、確認する
- 保険会社などから届く保険料控除証明書を、1か所にまとめて保管する
- iDeCoの掛金の証明書(国民年金基金連合会から届く書類)が届いたら保管する
- ふるさと納税の上限額を、ざっくり見積もる
11月
- 年末調整の書類を、会社の締切までに提出する
- NISAの積立設定の締切日を、利用中の証券会社で確認する
- ふるさと納税を、1段階目の分だけ先に寄附する
12月
- ふるさと納税は、12月31日までに寄附する
- NISAで年内に買付したいものは、年内に受渡しが完了する日までに注文する
- 12月の給与や賞与が固まったら、上限額を見直す(2段階目)
- 今年の**医療費(家族の分も)**を集計する
1月以降
- ふるさと納税の「寄附金受領証明書」を保管する
- ワンストップ特例を使うなら、申請書を寄附先の案内に従って提出する
- 確定申告をするなら、準備を始める(寄附をした翌年の3月15日まで)
④ 医療職ならではのコツ:「見直し日」を2回つくる
夜勤のある仕事は、毎月の給与が一定ではありません。
そのため、年収が確定するのは、12月の給与や賞与が出たあとになりがちです。



そこで、おすすめしたいのが、「見直し日」を2回つくる方法です。
- 11月上旬:今年の年収の見込みを出して、ふるさと納税の1段階目と、NISAの積立設定を済ませる
- 12月上旬:12月の給与・賞与の見込みを反映して、残りの枠を決める
見直し日を決めておくと、「いつやろう」と考える手間が、減ります。⑤ 5つの手続き:ポイントだけ詳しく
① 年末調整の書類:保険料控除
生命保険料控除は、一般生命保険料・介護医療保険料・個人年金保険料の3つの区分があります。
契約の時期(2012年1月1日以後かどうか)で、計算が変わります。
新契約の場合、各区分の上限は4万円で、合計の上限は12万円です。
また、23歳未満の扶養親族がいる場合は、令和8年分と令和9年分の一般生命保険料の控除の上限が6万円になります(国税庁)。
年末調整では、保険会社から届く控除証明書を、添付または提示します。
マイナポータル連携を使うと、控除証明書のデータを取得して、申告書に自動で入力できます。
② ふるさと納税
寄附は、1月1日から12月31日までに済ませる必要があります。
上限額の目安や、ワンストップ特例か確定申告かの選び方は、先ほどの2つの記事を参考にしてください。
サイトごとの特徴は、ふるさと納税サイトの比較記事にまとめています。
③ 新NISAの年間枠



金融庁の案内では、新NISAの枠は次のとおりです。
- つみたて投資枠:年間120万円
- 成長投資枠:年間240万円
- 合計:年間360万円まで
- 生涯の非課税保有限度額:1,800万円(うち成長投資枠は1,200万円まで)
売却した商品の簿価分の枠は、翌年以降に復活します。
年内に買付したいときは、年内に受渡しが完了する必要があります。
たとえば、楽天証券の2026年の案内では、投資信託の期限は、受渡日までの営業日数によって、12月18日〜12月23日でした。
また、楽天カードでの積立の設定は11月12日まででした。
期限は証券会社によって違うので、利用中の証券会社の案内を確認してください。



年間枠は、使い切らなくても大丈夫です。無理のない金額で続けることが、大切です。
④ iDeCoの掛金控除



iDeCoの掛金は、その年に支払った分の全額が、所得控除の対象です(国税庁)。
年末調整や確定申告では、支払った掛金の証明書を、添付または提示します。
証明書は、例年、秋ごろに届きます。届く時期は、iDeCo公式サイトのお知らせで確認してください。
勤務先の給与天引きで加入している場合は、手続きが違うことがあるので、勤務先の担当者に聞いておくと安心です。
⑤ 医療費の集計
医療費控除は、次の計算で出します(国税庁)。
支払った医療費の合計 − 保険金などで補てんされた金額 − 10万円
(その年の総所得金額等が200万円未満の人は、10万円の代わりに、総所得金額等の5%)



生計を一にする配偶者や親族の分も、合計できます。
領収書や医療費通知を、年内から集めておくと、確定申告のときに慌てません。
今月のうちに、できることから



ここまで読んで、「5つ全部は、さすがに大変」と思った方もいるかもしれません。
大丈夫です。今月は、1つだけで十分です。
おすすめの順番は、次のとおりです。
まず:ふるさと納税の上限額を、確認する
寄附は12月31日までですが、12月は申し込みが集中しやすく、ゆっくり選びにくい時期です。



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次に:NISA・iDeCoを、これから始めたい方へ
「来年こそ、始めたい」と思っている方は、口座の申し込みを先に済ませておくと、スムーズです。
口座の開設には、申し込みから利用開始まで、日数がかかることがあります。年明けに慌てないよう、余裕をもって進めてみてください。
アプリの使いやすさで迷っている方は、楽天iGrowとSBIの比較記事も参考にどうぞ。
最後に:保険料控除証明書を見て、気になったら
年末調整の書類を書くときに、「この保険、内容を一度確認したいな」と思う方もいます。
無理に見直す必要はありません。ただ、気になった方は、一度プロに話を聞いてみるという方法もあります。
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よくある質問
Q. 年末調整で、医療費控除やふるさと納税もできますか?
できません。国税庁の年末調整の申告書には含まれていないので、**確定申告(ふるさと納税はワンストップ特例も可)**で手続きします。
Q. 生命保険料控除の上限は?
各区分(一般生命保険料・介護医療保険料・個人年金保険料)で最大4万円、合計で最大12万円です(新契約の場合)。
Q. 新NISAは、年内に使い切らないと損ですか?
使い切る必要はありません。年間枠は最大360万円ですが、無理のない金額で続けることが大切です。売却した商品の簿価分の枠は、翌年以降に復活します。
Q. iDeCoの掛金の控除は、いくら?
その年に支払った掛金の全額が、所得控除の対象です。
まとめ
- 手続きは、会社に出すものと自分で動くものの2種類
- 年末調整では、医療費控除とふるさと納税は扱えない
- 夜勤のある仕事は、年収が12月まで確定しにくいので、見直し日を2回つくる
- 今月は、1つだけ始めればOK
年末は、考えることが増える時期です。
でも、時期ごとに「今月やること」だけ決めておけば、気持ちが、ぐっと楽になります。
無理のない範囲で、少しずつ進めてみてください。
より詳しい家計やお金の話は、【現役CE監修】医療従事者のためのお金の教科書にまとめています。
夜勤手当の仕組みが気になる方は、夜勤手当の記事もあわせてどうぞ。





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