「夜勤専従にすれば、月収40万円も夢じゃないらしい」
——そんな話を、同じ医療現場で働く中で耳にしたことがあります。

自分はCEなので、夜勤専従という働き方を選んだことはありません。ただ、看護師の同僚や知人から話を聞くうちに、「実際どれくらい違うんだろう」と純粋に気になったので、公的データをもとに調べてみることにしました。
夜勤専従は、確かに額面上の年収は高くなる傾向にあります。ただ、調べていくと**「額面は高いのに、見落とされがちな注意点がある」**ことも分かってきました。
この記事では、看護師の夜勤専従・通常の夜勤あり勤務・日勤のみの3パターンで、手取り額を比較します。「稼げそうだから」という理由だけで飛びつく前に、実態を数字で確認しておきましょう。
3パターンの手取りシミュレーション



厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」および日本看護協会の各種調査データをもとに、看護師の働き方3パターンを比較します。
①夜勤専従(常勤)
月給(額面)32万〜40万円、年収522万〜600万円程度が目安です。手取りは総支給額の70〜80%とされているため、手取り月収は約25万〜28万円になります。
②通常の夜勤あり勤務
平均月収36.6万円、年間賞与85.6万円で、年収524.7万円が全国平均です。手取り年収は394万〜420万円、手取り月収は約26万〜28万円程度です。
③日勤のみ勤務
年収は約440万〜470万円で、手取り月収は約23万〜25万円程度になります。


見落とされがちな注意点



ここまでのグラフを見ると、「あれ、思ったより差がない」と感じた方もいるのではないでしょうか。
これが、今回一番お伝えしたいポイントです。
注意点①:ボーナスの有無で、年間トータルは大きく変わる
手取り月収だけを見ると、3パターンにそこまで大きな差はありません。しかし、夜勤専従が非常勤・パート雇用の場合、ボーナスが出ないケースが多いという実情があります。通常の夜勤あり勤務では年間賞与85.6万円が加わるため、月収ベースでは近くても、年間トータルで見ると差が開く可能性があります。夜勤専従を検討する際は、「常勤か非常勤か」「賞与の有無」を必ず確認してください。
注意点②:勤務日数の少なさは、体力面でのメリットでもある
夜勤専従は、月8〜10回程度の勤務で年収522万円以上が狙えるケースもあり、勤務日数あたりの効率は高い傾向にあります。手取り額の差が小さくても、「同じ収入を、より少ない出勤日数で得られる」という点は、見逃せないメリットです。
注意点③:生活リズムへの影響は、お金の話とは別に考える
昼夜逆転の生活が体に合うかどうかは、人によって大きく異なります。手取り額のシミュレーションだけで判断せず、自分の体力やライフスタイルに合っているかも、あわせて考えることが大切です。
まとめると
夜勤専従は「額面上の年収は高いが、手取り月収ベースでの差はそこまで大きくない」というのが、データから見えてきた実態です。ただし「少ない出勤日数で稼げる」という効率の良さは事実であり、良し悪しではなく、自分の働き方の優先順位次第で選ぶべき選択肢だと言えそうです。
結論



夜勤専従は、額面上の年収では確かに高い水準が期待できます。
ただし、手取り月収ベースで比較すると、通常の夜勤あり勤務との差はそこまで大きくないというのが、今回のシミュレーションで見えてきた実態でした。
大事なのは、「稼げそうだから」という理由だけで飛びつくのではなく、常勤か非常勤か、賞与はあるか、そして自分の体力やライフスタイルに合っているかを、事前にしっかり確認することです。数字だけでなく、働き方そのものが自分に合っているかどうかも、同じくらい重要な判断材料になります。
今日からできる一歩
夜勤専従であっても、通常の夜勤あり勤務であっても、共通して言えることがあります。
それは、手取り額が多少変わったとしても、その差額を「なんとなく使ってしまう」のではなく、意識的に資産形成に回せるかどうかで、将来の余裕は大きく変わってくるということです。
もし夜勤専従への転向を考えていて、収入が増える見込みがあるなら、増えた分をそのまま生活費に溶け込ませるのではなく、先に積立額を上乗せするという考え方がおすすめです。



以前の記事「夜勤で忙しい医療職のためのNISA入門」で紹介した通り、一度設定してしまえば、あとは自動で積み立てが続きます。


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