「103万円までなら大丈夫だと思ってたけど、最近106万とか130万とか、色々な数字を聞いて逆に不安になった」
——扶養内で働く非常勤の看護助手さんや、パートの医療事務の方から、そんな声を聞くことがあります。

正直、自分も最初に調べたとき、数字が多すぎて混乱しました。しかも2025年から2026年にかけて、この「年収の壁」の制度自体が大きく変わっている最中で、去年までの情報のまま止まっている方も少なくないはずです。
結論からお伝えすると、「壁」は大きく分けると2種類しかありません。 「税金の壁」と「社会保険の壁」です。この2つを混同せずに整理できれば、数字の多さに振り回されることはなくなります。
この記事では、2026年時点の最新情報をもとに、非常勤で働く医療職の方に関係の深い壁だけに絞って、シンプルに整理していきます。難しい専門用語は、できるだけかみ砕いてお伝えします。
まず「壁は2種類だけ」と覚えてください



数字の話に入る前に、一番大事な考え方を先にお伝えします。
「年収の壁」と呼ばれるものは、細かく言うといくつも存在しますが、非常勤で働く医療職の方が気にすべきなのは、基本的にこの2種類だけです。
① 税金の壁 → 超えると、自分や家族の税金が増えるライン
② 社会保険の壁 → 超えると、**自分で健康保険・年金に加入する(保険料を自分で払う)**ことになるライン
例えるなら、①は「入場料が少し上がる扉」、②は「そもそも会員登録が必要になる扉」のようなイメージです。性質がまったく違う2つの扉なので、まずはここを分けて考えることが、混乱しないための最大のコツです。





以前は「103万円」と言われていましたが、税金の壁は2025年に123万円、2026年からは136万円へと段階的に引き上げられています。「103万円」という数字は、もう最新情報ではありません。
社会保険の壁については、以前あった「106万円の壁」(勤務先の規模や勤務時間による社会保険加入の基準)が、2026年10月をめどに撤廃予定で、代わりに**「週20時間以上働いているかどうか」が基準になります。つまり、これからは金額よりも「週の労働時間」の方が重要な判断基準**になっていく、ということです。
ここまでのポイントを整理すると:
- 税金の壁を気にするなら → 年収136万円
- 社会保険の壁を気にするなら → 年収130万円、または週20時間
数字がいくつも出てきましたが、結局この2つの数字(136万円・130万円)と、週20時間という働き方の基準を覚えておけば十分です。
パターン別・自分はどうすればいいか



数字を理解したところで、実際のケースに当てはめてみましょう。非常勤で働く医療職によくある3つのパターンです。
パターン①:扶養内で、できるだけ働きたい方
→ 目安は年収130万円未満・週20時間未満に収めることです。この範囲であれば、税金の壁(136万円)にも届かないため、両方の壁を気にせず働けます。
パターン②:もう少し稼ぎたいが、扶養は外れたくない方
→ 一番気にすべきは**社会保険の壁(130万円・週20時間)**です。ここを一度超えると、自分で保険料を負担することになるため、家計への影響が一番大きく出ます。税金の壁(136万円)より先に、社会保険の壁に注意してください。
パターン③:扶養を外れてでも、しっかり働きたい方
→ 「壁」を気にする必要自体がなくなります。社会保険に加入することで、将来の年金額が増える、傷病手当金などの保障が手厚くなる、というメリットもあります。「壁の下に抑える」ことだけが正解ではありません。
ここで一つ、覚えておいてほしいことがあります。
「ちょっとだけ壁を超えてしまった」場合、手取りが一時的に減ることがあります(社会保険料の負担が始まるため)。ただ、130万円あたりでいったん減った手取りは、そこからさらに働けば、しっかり取り戻せることがほとんどです。



「壁を少し超えたら大損する」というよりは、「一時的に手取りが伸び悩む区間がある」くらいの感覚で捉えておくと、必要以上に不安にならずに済みます。


結論
「年収の壁」は、数字だけ見ると複雑に感じますが、「税金の壁(136万円)」と「社会保険の壁(130万円・週20時間)」の2種類しかないと分かれば、必要以上に難しく考える必要はありません。
大事なのは、自分がどのパターンで働きたいのかを先に決めることです。「扶養内でセーブして働きたいのか」「多少の手取りの伸び悩みを受け入れてでも、しっかり稼ぎたいのか」——ここが定まれば、あとは自分に関係する壁の数字だけ意識すればよくなります。
また、制度は今後も改正される可能性があります。



特に社会保険の壁は2026年10月に大きく変わる予定のため、「去年聞いた話」のまま止まっていないか、年に一度は最新情報を確認しておくことをおすすめします。
今日からできる一歩



扶養内で働くか、壁を超えてしっかり働くか——どちらを選んでも、将来に向けた備えを別に用意しておくという考え方は共通して大切です。
扶養内で働く方は、その分、将来の年金や保障が手薄になりやすい面もあります。NISAのような制度を使って、自分のペースで資産形成をしておくと、働き方の選択肢そのものが広がります。
一方で、壁を超えてしっかり稼ぐ方は、収入が増える分、税金や社会保険料への対策(ふるさと納税など)もあわせて検討する価値があります。





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