「話題の楽天SCHD、良さそうだから買ってみようかな」

そう思って調べ始めると、配当の受け取り方、NISA口座での扱い、税金の話など、普通の投資信託とは違う独特のクセがあることに気づきます。知らずに買ってしまうと、「思っていたのと違った…」となりかねません。
この記事では、楽天SCHDに投資する前に必ず押さえておきたい5つの注意点を解説します。
【早見表】5つの注意点、結局何がポイント?
| No | 注意点 | 一言で言うと |
|---|---|---|
| 1 | 配当は必ず円で受け取る | ドルのまま保有はできない |
| 2 | 分配金コースの変更はNISA口座では不可 | 特定口座なら変更できるが、NISA口座は最初の設定が固定 |
| 3 | NISA口座での分配金再投資は非課税枠を消費する | 「複利で増える」つもりが、枠を圧迫することも |
| 4 | 時期によってはVYMに劣ることもある | 「SCHDの方が必ず上」とは限らない |
| 5 | NISA口座は二重課税調整の対象外 | 特定口座だけの制度なので、NISA枠の使い方は要検討 |



それぞれ詳しく見ていきましょう。
楽天SCHDのおさらい
楽天SCHDは、米国の高配当株ETF「SCHD」に連動する投資信託です。年3.5%前後の配当利回りに加え、株価成長も見込める点が特徴で、インカムゲイン(配当)とキャピタルゲイン(値上がり益)の両方を狙えます。



現状、取り扱っているのは楽天証券のみで、新NISAでは成長投資枠での購入が可能です(つみたて投資枠の対象外)。
注意点1:配当は必ず円で受け取る(ドル受け取りは不可)
米国株や米国ETFの配当は円・ドルどちらでも受け取れますが、投資信託の場合、分配金は基本的に円での受け取りのみです。SBI証券で取り扱いのある同種商品「VYM」でも同様に円での支払いとなっており、これは楽天SCHDに限った話ではなく、投資信託全般の仕組みによるものです。
注意点2:分配金コースの変更は特定口座のみ可能(NISA口座は不可)



分配金の受け取り方には2種類あります。
- 受取型:分配金をそのまま受け取る
- 再投資型:分配金を再び投資に回す(ただしNISA口座でも、特定口座での課税分は米国課税が引かれた後に再投資される)
このコースは途中で変更可能ですが、NISA口座で保有している場合は変更できません。最初にどちらのコースで購入するか、慎重に選んでおく必要があります。
注意点3:分配金の再投資はNISA口座だと非課税枠を消費する



これは見落としがちな重要ポイントです。
例えば、楽天SCHDに200万円投資すると、非課税枠の残りは40万円になります。ここで分配金が5万円発生し、それを再投資に回すと、非課税枠の40万円からさらに5万円が消費され、残りは35万円まで減ってしまいます。
分配を出さない無分配型の投資信託(eMAXISシリーズなど)であれば、この心配は不要です。「非課税枠を効率よく使いたい」という方は、この違いを理解した上で商品を選ぶ必要があります。
なお、受け取った分配金は楽天証券の口座に入金され、楽天証券の「スイープ」サービスを使えば楽天銀行への自動振り込みも可能です。日々の入出金をシンプルにしたい方は、楽天銀行との連携も合わせて検討する価値があります。
注意点4:運用時期によってはVYMを下回ることもある
「SCHDはVYMより優秀」という声もよく聞きますが、過去の実績を見ると、確かにSCHDの方が配当利回り・増配率ともに優勢な傾向にあります(過去10年増配率:SCHD +11.4% vs VYM +7.1%)。
ただし投資の世界に「絶対」はありません。比較する時期によっては、必ずしもSCHDがVYMを上回るとは限らない点は理解しておきましょう。構成セクターを見ても、両者に極端な偏りはなく、バランスの取れた配分になっています(参考までに、S&P500はテクノロジーセクターだけで30%を超えます)。
VYM派の方は、SBI証券での取り扱いも視野に入れて比較検討することをおすすめします。
注意点5:NISA口座は二重課税自動調整の対象外
米国株・米国ETFは、配当に対して米国で10%課税され、さらに国内でも課税される「二重課税」が発生します。特定口座であれば、確定申告不要でこの二重課税を自動調整してくれる制度がありますが、NISA口座はそもそも国内課税が非課税のため、この自動調整制度の対象外です。


基本的にはNISA口座の方が税制上有利なので、非課税枠に余裕があればNISA口座で、枠を使い切っている場合は特定口座で購入する、という使い分けがおすすめです。
こんな人には楽天SCHDがおすすめ
- 楽天証券をメインで使っていて、配当(インカムゲイン)と値上がり益(キャピタルゲイン)の両方を狙いたい人
- NISA口座の非課税枠を、分配金再投資による消費まで含めて計画的に管理できる人
逆に、非課税枠を1円も無駄にしたくないという方は、無分配型の投資信託を優先し、楽天SCHDは特定口座での購入を検討するのも一つの手です。
まとめ
楽天SCHDは魅力的な商品ですが、「配当は円のみ」「NISA口座では分配金コース変更不可」「分配金再投資は非課税枠を消費する」など、普通の投資信託にはない独特の注意点があります。これらを理解した上で購入すれば、後から「知らなかった…」と後悔することはありません。
VYM派・米国株全般に興味がある方へ
VYMとの比較検討をしたい方は、SBI証券での取り扱いも確認しておくと選択肢が広がります。
また、米国株投資そのものに興味がある方には、「マネックス証券」もおすすめです。
よくある質問
Q. 楽天SCHDはつみたて投資枠で購入できる?



A. できません。現状は成長投資枠のみでの購入となります。
Q. 分配金を受け取らず、複利で増やしたい場合はどうすればいい?



A. NISA口座で再投資型を選ぶ方法もありますが、非課税枠を消費する点に注意が必要です。非課税枠を温存したい場合は、無分配型の投資信託と使い分けることをおすすめします。
Q. SCHDとVYM、結局どちらを選ぶべき?



A. 過去の実績ではSCHDが優勢な期間が多いですが、将来も同じ傾向が続くとは限りません。どちらか一方に絞らず、両方を少額ずつ持って様子を見るという考え方もあります。





コメント