「専門看護師や認定看護師を取れば、給料がしっかり上がる」
——そんなイメージを持っている方も多いのではないでしょうか。

資格取得には時間もお金もかかります。だからこそ、「頑張って取得すれば、それに見合った手当がもらえるはず」と考えるのは自然なことです。
ただ、実際に調べてみると、資格手当を支給している病院は、思っていたより少ないという現実が見えてきました。せっかく資格を取っても、勤務先によっては手当がまったく出ないケースも珍しくありません。
この記事では、看護師の専門・認定資格を中心に、資格手当の相場と支給率の実態を、日本看護協会の調査データをもとに整理します。あわせて、資格取得を検討する前に確認しておきたいポイントもお伝えします。
「資格を取れば自動的に給料が上がる」という思い込みで動く前に、まずは実態を知っておきましょう。
資格手当の相場と支給率、実際のデータ
日本看護協会「2022年度 専門看護師・認定看護師に対する評価・処遇に関する調査」をもとに、資格手当の実態を整理します。
まず結論から


ここが一番驚くポイントです



専門看護師も認定看護師も、資格手当を支給している病院は、全体の3〜4割程度にとどまっています。 つまり、残りの6〜7割の病院では、資格を取得しても手当はゼロという計算になります。
「専門看護師の方が認定看護師より高度な資格だから、支給率も高いはず」と思われるかもしれませんが、実際には**支給率は認定看護師の方が高く(41.2%)、専門看護師の方が低い(34.1%)**という結果になっています。取得の難易度と、手当の出やすさは、必ずしも比例していないようです。
<支給される場合の金額感>
手当が出る職場に限定すると、専門看護師で月11,279円(年間約13.5万円)、認定看護師で月8,530円(年間約10.2万円)が平均的な水準です。決して大きな金額ではありませんが、長く働き続けることを考えると、無視できない差にはなります。
<臨床工学技士(CE)の場合>
以前の「夜勤手当のリアル」記事でも触れた通り、CEを含む看護師以外の職種については、全国規模で統一された資格手当の調査データがほとんど存在しません。透析技術認定士などの認定資格を取得すると手当が支給される職場もあるようですが、金額・支給率ともに、施設ごとの裁量に大きく委ねられているのが実情です。


資格取得を検討する前に確認すべきポイント
ここまでのデータを踏まえると、資格取得を考える際、**「取ってから確認する」のではなく「取る前に確認する」**方が、後悔しない選択につながります。
確認①:今の職場に、資格手当の制度があるか
就業規則や給与規程を確認するか、人事に直接聞いてみるのが確実です。資格取得を支援する制度(研修費補助など)はあっても、手当自体は別枠というケースもあるため、両方を分けて確認しておきましょう。
確認②:手当がない場合、他にどんなメリットがあるか
手当がなくても、資格取得によって「専門性の高い業務に携われる」「昇進・昇格の判断材料になる」「転職市場での評価が上がる」といったメリットは残ります。手当の有無だけで判断せず、総合的に考える視点も大切です。
確認③:手当のある職場への転職も、選択肢に入れておく
今の職場に資格手当の制度がない場合、同じ資格を活かせる、手当のある職場に移るという選択肢もあります。特に専門看護師・認定看護師のような資格は、転職市場でも一定の評価を得やすい傾向にあります。
大事なのは、「資格を取れば自動的に給料が上がる」という思い込みを一度手放すことです。 その上で、自分の職場の制度を確認し、必要であれば選択肢を広げる、という順番で考えると、資格取得の努力がきちんと報われやすくなります。
結論
専門看護師で34.1%、認定看護師で41.2%——資格手当を支給している病院は、想像より少ないというのが実態でした。せっかく時間とお金をかけて資格を取得しても、勤務先によっては手当がまったく出ないケースがある、ということは、事前に知っておいて損はありません。



とはいえ、資格手当がすべてではありません。専門性の高い業務に携われること、昇進・昇格の判断材料になること、転職市場での評価が上がることなど、手当以外のメリットも十分にあります。
「手当が出るかどうか」は、資格取得を判断する材料の一つとして、冷静に確認しておくくらいの位置づけがちょうど良いと思います。
今日からできる一歩
もし「これから資格取得を目指しているけれど、今の職場に手当の制度があるか分からない」「頑張って資格を取ったのに、手当がなくてモヤモヤしている」という状況なら、一度、転職エージェントに相談してみるのも一つの手です。
同じ資格を持つ看護師が、他の病院でどれくらいの待遇を得ているのか、実際の求人情報を知っている転職エージェントだからこそ分かる相場感があります。今すぐ転職するかどうかに関わらず、情報収集だけでも今後のキャリアの判断材料になります。
※対応職種・エリアはサービスによって異なるため、登録前に対象条件を確認してみてください。





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