
夜勤明けでボーッとした頭で家計簿を見て、「このままで大丈夫かな」と不安になったことはありませんか。
看護師という仕事は、決して収入が低いわけではありません。それでも物価の上昇や将来への不安から、「本業以外にも収入源がほしい」と考える人は少なくないはずです。
実際、日本看護協会の調査では、正規雇用の看護職員に副業・兼業を認める規定がある病院はすでに44.3%にのぼります。
一方で、看護師コミュニティの調査では実際に副業を経験した人は約3割弱にとどまり、制度はあっても一歩を踏み出せていない人が多いのが実態です。
「不規則な勤務の中で副業なんてできるのだろうか」「確定申告とか難しそう」と、腰が重くなる気持ちもよくわかります。
この記事では、同じ医療職としてリサーチを重ねた立場から、夜勤や不規則勤務でも無理なく始められる低ハードルな副業と、収入が増えたときに知っておくべき税金の話を、実用的な視点でまとめました。
読み終える頃には、「これなら自分にもできそう」という具体的な選択肢が見えているはずです。
看護師の副業、実際どれくらいの人が動いているのか
先ほど触れたように、日本看護協会の「2023年病院看護実態調査報告書」によると、正規雇用の看護職員に副業・兼業を認める規定がある病院は44.3%です。つまり、勤務先の半数近くはすでに「副業OK」の土台を持っている可能性があるということです。
一方で、看護師コミュニティ「カンゴトーク」のアンケートでは、副業を経験したことがある人は合わせて約28.9%(職場に申請して副業した人が6.6%、内緒で副業した人が22.3%)。経験がない人は67.3%にのぼりました。
この2つのデータを重ねると、見えてくるのは「制度としては認められつつあるのに、実際に動いている人はまだ少数派」という構造です。裏を返せば、今から始める人にとってはまだ先行者になれる余地があるとも言えます。
なお、内緒で副業をしている人が申請者よりも多いという結果は、就業規則の確認や届出のハードルを感じている人が一定数いることも示しています。まずは自分の職場の規定を確認するところから始めるのが、遠回りに見えて一番安全な一歩です。
[図解挿入:病院の副業許可規定44.3%/副業経験の内訳(申請6.6%・内緒22.3%・経験なし67.3%)]




夜勤明けでも無理なく始められる、低ハードルな副業例
副業と一口に言っても、看護師の資格を活かせるものと、資格に関係なく誰でも始められるものがあります。



ここでは体力を消耗しにくい在宅・スポット系に絞って紹介します。
① 看護師の資格・経験を活かす副業
- 単発の医療系バイト(イベントナース、健診補助など):イベント会場や健診施設でのスポット勤務。シフトの融通が利きやすく、本業の休みに合わせて単発で入れるものが多いのが特徴です。
- オンラインでの健康相談・医療相談サービス:自宅からスマホやPCで対応できるものもあり、体力的な負担が少なめです。
- 医療系ライティング・記事監修:看護師としての知識を活かして、健康情報メディアや企業サイトの記事執筆・監修を行う仕事です。文章を書くのが好きな人に向いています。
② 資格不要・スキマ時間でできる副業
- クラウドソーシング(ライティング、データ入力など):スマホ1台でも取り組めるものが多く、夜勤明けの隙間時間にも対応しやすい形態です。
- フリマアプリでの不用品販売:不要品の整理を兼ねて始められる、最もハードルの低い方法の一つです。
- アンケートモニター・ポイントサイト:大きな収入にはなりにくいものの、スキマ時間の活用として始めやすい選択肢です。
まずは「本業に支障が出ない」「体力を消耗しすぎない」という2つの軸で選ぶのが、続けやすさのポイントです。
副業を始める前に知っておきたい「20万円ルール」と住民税の注意点
副業で収入を得るとき、多くの人が気にするのが「いくらまでなら申告しなくていいのか」という点です。ここでよく聞かれるのが「20万円ルール」ですが、正確に理解していないと後で困ることがあります。
まず押さえておきたいのは、20万円ルールが判定するのは「収入」ではなく「所得」だという点です。所得とは、収入から必要経費を差し引いた金額のこと。会社員など給与所得者の場合、副業の所得が年間20万円以下であれば、原則として所得税の確定申告は不要とされています。
たとえば副業の収入が30万円あっても、通信費やパソコン代などの経費が10万円以上あれば、所得は20万円以下になり確定申告が不要になるケースもあります。



ただし、ここに落とし穴が2つあります。
- 住民税は別ルール:所得税の確定申告が不要でも、住民税の申告は別途必要になります。これを見落として翌年に追徴課税の通知が届く、というケースは少なくありません。
- 副業がアルバイト・パートの場合は扱いが異なる:副業先でも給与として源泉徴収されている場合(掛け持ちのアルバイト等)は、20万円ルールの適用条件が変わってきます。
「20万円以下だから何もしなくていい」ではなく、「所得税は不要でも住民税の手続きは必要」と覚えておくのが安全です。判断に迷う場合は、お住まいの市区町村の窓口や税理士に確認することをおすすめします。
副業収入が増えたら、ふるさと納税の上限額も見直そう



副業で所得が増えると、見落とされがちなのが「ふるさと納税でお得にできる金額の上限」も一緒に上がっているという点です。
ふるさと納税の控除上限額は、その年の所得に応じて決まります。つまり、本業の給与だけで計算していた上限額のまま毎年同じ金額を寄付していると、副業分の所得が増えているのに、本来使えるはずの枠を余らせてしまっている可能性があるということです。
たとえば、副業所得が増えて課税所得が上がれば、ふるさと納税で実質2,000円の自己負担で受け取れる返礼品の上限も増えます。同じ2,000円の負担で、より多くの返礼品を受け取れる可能性があるのに、それに気づかず何年も同じ金額で申し込んでいる人は珍しくありません。
副業を始めたタイミングは、ふるさと納税のシミュレーションを見直す良い機会です。多くのふるさと納税サイトには年収・家族構成を入力するだけで上限額の目安がわかるシミュレーターが用意されているので、まずは自分の上限額を確認するところから始めてみてください。
副業を始めたら、年に一度「ふるさと納税の上限額シミュレーション」をチェックする習慣をつけておくと、無理なく家計の恩恵を最大化できます。
【ふるさと納税シミュレーションはこちら】
副業だけで物足りないと感じたら、本業そのものを見直す選択肢も
ここまで低ハードルな副業を紹介してきましたが、副業はあくまで収入の「補助輪」です。実際にやってみて「もっと収入を増やしたい」「そもそも今の職場の待遇に納得できていない」と感じる人も出てくるはずです。
副業は今の職場に在籍したまま収入源を増やせる手軽さがある一方、増やせる金額には限界があります。もし本業の給与水準そのものに不満を感じているなら、副業で小さく試すだけでなく、転職という選択肢も並行して情報収集しておく価値があります。
看護師の転職市場は地域や職場によって条件差が大きく、「今の職場の待遇が業界内でどのくらいの水準なのか」を客観的に把握するだけでも、今後の判断材料になります。今すぐ転職するつもりがなくても、非公開求人の情報や条件交渉のノウハウを知っている専門家に一度話を聞いてみることで、「副業で頑張るべきか」「転職で環境を変えるべきか」の判断がしやすくなります。
まとめてやること(Next Step)
- まずは自分の職場の副業・兼業規定を確認する
- 低ハードルな副業を1つ選んで小さく始めてみる
- 副業所得が発生したら、20万円ルールと住民税の申告を忘れずに
- ふるさと納税の上限額シミュレーションを見直す
- 収入や待遇そのものに不満があるなら、転職の情報収集も並行して進めておく





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